ラグビーW杯今日開幕!日本が勝負のロシア戦に勝つために何が必要か?
ラグビーのワールドカップ(W杯)が今日開幕、日本代表は20日19時45分、ロシアとの初戦を東京スタジアムで迎える。ロシア戦の勝利の条件をまとめれば、昨年6月に触れたレフリングに再び対応すること、パワフルな相手の土俵に上がらないこととなる。もちろん、重圧下で本来の力を発揮するのは大前提だ。 初めてW杯で指揮を執る首脳陣のもと、初の自国開催大会に挑む。目標は、史上初の決勝トーナメント進出(予選上位2位以内)だ。参加する予選プールAでは他に欧州6強のアイルランド代表、スコットランド代表が控えるだけに、初戦での勝利はミッションクリアへの最低条件とも見られている。 無形の重圧を避けられそうもない開幕戦の直前。ニュージーランドからデイビッド・ガルブレイスメンタルコーチを招聘したチームにあって選手は口々に「プレッシャーを楽しむ」と話す。クレバーな長谷川慎スクラムコーチは、大会前に対戦した強豪国の名を挙げこう笑う。 「プレッシャーにどう(対処)するかという話は去年からしている。オールブラックス(=ニュージーランド代表)、イングランド代表、イタリア代表、南アフリカ代表に対してもプレッシャーを感じてきました。あまり『ワールドカップだから(特別だ)』とならないような報道をよろしくお願いします」 反則数とボール保持率を左右する笛への対応については、インサイドセンターの中村亮土が毅然とした態度を示す。 「(担当者によって)色んなレフリングがありますけど、そこには真摯な行動を取って、大会期間中フェアプレーで行けたら」
リーチマイケル主将は、船頭役として歴史的3勝を挙げた4年前のイングランド大会時に「レフリーといいコミュニケーションが取れた」と発言。今回は前回行っていたような担当者を事前合宿地に呼ぶ準備はしていないものの、日本協会の久保修平レフリーやワールドラグビーから巡回するレフリーのクリス・ポロック氏らと一般的な視点を共有してきた。 その成果を示したいのは、8対8で組み合うスクラムの際。塊がつぶれた際は、熟練者でも起こったことの把握が難しい。そんななか日本代表は、これまで醸成してきたスクラムシステムをベースに組む高さや最後列の選手の身体の向きなどを微修正した。角度をつけたり、わざと崩壊させたりしたと思われないためだ。 初戦で笛を吹くナイジェル・オーウェンズ氏は、昨年6月に日本代表とジョージア代表との試合も担当している。当時は日本代表が要所で押したが、長谷川コーチは「あの時のレフリングで、僕らは組み方を勉強させてもらった。あの時のレフリングが参考になっていまのスクラムになっている」と、具体例を避けながらも見立てを詳細に解説。笛がどちらを手助けするかは全くの未知数だろうが、理想的なスクラムを意識し続けてきたという。 「(スクラム練習のなかで)コール(合図)の間隔を変えるなど、色んなシチュエーションを用意しています。『あのレフリーは他と比べ、こういう傾向がある』というものを、僕は、見ます。それを選手には、プレッシャーがかからないように教えています」 対するロシア代表は、もともと他国の出場資格失効に伴い繰り上げられたチーム。ただし日本代表は、昨年11月の直接対決で32―27と苦戦。肉弾戦と陣地獲得合戦で後手を踏んだ。身体の厚みが際立つ相手に、ペースを握られたのだ。 フィジカルに定評のあるロシア代表は、当日もスタンドオフのユーリ・クシナリョフらのロングキックをスペースへ蹴り込み、敵陣深い位置での肉弾戦で日本代表のエナジーを削りに来るかもしれない。