「シャワーの音でごまかして、お風呂場で泣いた」IZ*ONEで活動した矢吹奈子が韓国でのアイドル活動で越えなければならなかった壁
韓国のオーディション番組から生まれた日韓合同のグローバルグループ「IZ*ONE」。12人のメンバーのうち、日本人メンバーは3人。その中で、オーディション下位層から逆転して見事メンバーの座を手に入れたのが、現在HKT48として活動する矢吹奈子さんです。IZ*ONE結成後、メンバーとの共同生活で慣れない環境や、自身のコンプレックスに悩み「シャワーの音で消して泣いた」こともあったそうです。一方で、ファンやメンバーのおかげで短所が長所に変換されたとも言います。矢吹さんに、韓国での2年半のアイドル活動を通じて気づいた「自分の愛し方」について伺いました。(Yahoo!ニュースVoice)
言葉もわからず飛び込んだ韓国でのアイドル活動。一人お風呂場で泣いたことも
IZ*ONEは、2018年10月に発売されたミニアルバム『COLOR*IZ』で正式デビュー。K-POPガールズグループのデビューアルバム歴代最高初週売上を記録し、世界10カ国のiTunes配信チャートで1位を獲得するなど、華々しいデビューを飾ります。その後も「2018 Asia Artist Awards」で歌手部門新人賞を受賞した他、数々の新人賞を獲得。日本や韓国だけでなく、タイ、台北、香港などアジア各国を中心にコンサートも行いました。 ――IZ*ONEのメンバーとなり、韓国に渡りました。慣れない環境に入るのは大変だったのではないでしょうか。 矢吹奈子: オーディションのあと、すぐ韓国に行くことになって、韓国語も分からない状態で生活が始まりました。最初はメンバーに自分の気持ちを共有することもできず、本当に大変でした。 生活も大変だったのですが、例えばレッスンでダンスをそろえるときにも、知らない韓国語の言葉がどんどん出てくるんです。「足をそろえる」とか「かかと」といった言葉も知らなかったので、先生から何を言われているかも分からなくて。日本人メンバー同士で目を合わせながら「これ、どういう意味なのかな?」みたいな感じになっていましたね。 あと韓国のバラエティ番組に出演したときもすごく大変でした。MCの方が何を仰っているのかが分からなくて、その場の雰囲気を見ながら「ああ、今笑うタイミングなのかな」って感じてから笑うということもありましたね。 ――言葉が分からない異文化で、メンバーの皆さんは共同生活をしていました。大変だった状況から、どのように慣れていったのでしょうか。 矢吹奈子: 韓国のメンバーも日本のメンバーもみんなで共同生活をしていたのですが、どうにかしてお互いの気持ちを伝えたいっていう思いだったんです。だから、韓国のメンバーは日本語を覚えて、日本のメンバーは韓国語を覚えて、お互いの言葉を使いながら、ジェスチャーも含めてお話ししました。すると、どんどん気持ちが通じ合っていきましたね。「あ、今自分で理解できてる」って思ったときに、すごく感動したし、韓国語をちょっとずつ覚えられているという実感が湧きました。 環境が変わって不安なこともありましたが、コミュニケーション能力は上がったかなって思います。東京から福岡に行ったときの経験もあったし、そのおかげで韓国に行ったときもすぐにみんなと仲良くなれた気がするので、経験って大事だなって思います。 ――言葉の壁以外に大変だったことはありますか? 矢吹奈子: 宿舎の生活だと本当に一人の時間がなかったことですね。一人になれるのはお風呂の時間だけ。なので、本当に辛くて泣きたいときは、シャワーの音で消しながら泣いていました。宿舎で共同生活をしていたので、唯一お風呂に入っている時間だけが一人になれる時間だったんです。