「シャワーの音でごまかして、お風呂場で泣いた」IZ*ONEで活動した矢吹奈子が韓国でのアイドル活動で越えなければならなかった壁
周りと比べて際だったコンプレックス。ファンやメンバーの言葉で長所に変わった
――アイドルは、競争の激しい世界だと思います。また、グループが変わればファンから求められる表現も変わってくるでしょう。さまざまな才能が集まる新しいグループの中で、自信が持てなくなったことはありましたか? 矢吹奈子: 身長が低いことに悩みました。韓国のアイドルグループの中には身長が低い方があまりいなくて、IZ*ONEの中でも一番身長が高い子と20センチぐらいの差があったんです。踊るときにみんなに迷惑がかかっちゃうんじゃないかなと、ちょっと自信を失いかけたこともありましたね。 ――それはどうやって克服したのでしょうか? 矢吹奈子: 正直ずっと「どうしよう」って悩んでいたんですけど、韓国のメンバーが「踊っているときは身長に気づかなかったよ」「呼吸するだけでも可愛い」「いるだけでありがたい存在」って言ってくれたことがあって、そのことは忘れられないですね。自信を持てるようになりました。 ――心に残っているファンからの言葉はありますか? 矢吹奈子: 一番嬉しかったのは、韓国のファンの方が「世界で一番大きい妖精」とあだ名をつけてくださったことです。ライブなどで日本と韓国以外の国にもたくさん行かせていただいたのですが、他の国にも自分のファンの方がいたことにも驚きました。「日本や韓国以外にも私のことを応援してくださる方がいるんだ」って知ることができて、すごく嬉しかったです。 あと、私は、えくぼがあるから、かっこいいと思う表情をしても笑っているように見えるのがコンプレックスでした。かっこいい曲を歌っているときでも「笑ってるように見える」って言われることが多かったんです。 でも、韓国でかっこいい曲の練習をしているときに、自分のパートもかっこよく決めたら、「そこは笑って」と言われたことがあったんです。「なんで私だけ笑っていいんだろう」って最初はすごく不思議でした。でも、歌番組で披露したときに、ファンの方から、「他のパートはかっこいい表情なのに、奈子のパートのとき笑顔になるのがすごくかっこいい」っていう言葉をいただいて、「笑顔でもかっこよく見せられるんだ」って気づきました。辛い言葉をかけられることもありましたが、自分で気づかなかった私の魅力を教えてもらえる経験もたくさんあったんです。