きゃりーぱみゅぱみゅ「私は“人生=ぼっち”」コロナ禍で向き合った一人時間
18歳のデビュー直後から原宿カルチャーを代表するアーティストとして大きな注目を集め、今年、デビュー10周年を迎えたきゃりーぱみゅぱみゅさん。しかし、コロナ禍でライブ活動がままならず「ファンが私のことを忘れちゃうんじゃないかと孤独を感じた」と胸の内を語ります。コロナ禍の一人の時間をどう過ごしているのか、そして、きゃりーぱみゅぱみゅとして活動してきた10年において「一人の時間」にどんな意味を見出していたか、伺いました。(Yahoo!ニュース Voice)
“人生=ぼっち” これからも一人でいる自分の方が想像できる
――きゃりーさんは、コロナ禍になってどんなことを考えていましたか? きゃりーぱみゅぱみゅ: ライブ活動が全くできなかったので、ファンの皆さんと会えない日々が続いて孤独を感じていました。今までこんなにファンの皆さんと会えないことはなかったので、みんなが私のことを忘れちゃうんじゃないかと思ったこともあります。 もちろん、SNSを通じてファンの皆さんとコミュニケーションはとることはできますが、皆さんの前でライブしたいという気持ちでずっとモヤモヤしていました。コロナ禍になって2年目ですけど、いまだに悩まされていますし、これからの音楽や音楽活動ってどうなっていくのかという不安もありますね。 ――コロナ禍で人に会えない状況が続きましたが、一人で過ごす時間をどのように捉えていましたか? きゃりーぱみゅぱみゅ: 私って“人生=ぼっち”なんですよね。一人っ子ですし、学生時代は部活にも入ってなかったし、今もソロアーティストですし。だからなのか、一人の時間は好きです。 人とご飯を食べるのも好きではあるんですけど、一人で食べるのもめちゃくちゃ好きで。一人で焼肉やしゃぶしゃぶに行ったこともあります。友だちとパーティーしていても、「みんな早く帰ってくれないかな」って思うことがあるくらい(笑)。 ただ、一人になりたいって思っているわけじゃなくて、必然的にひとりの行動ばかり選んでしまうのかもしれないです。一人なら、誰かに気をつかわなくていいじゃないですか。お店の前を歩いていておいしそうなものを見つけたら、自分の判断でお店に入ることができる。友だちと買い物に行くと「AとB、どっちの服がかわいい?」とかで意見が合わないときがあるけど、一人だったらそうしたストレスを感じることもない。だから、一人でいる自分の方が想像できるんですよね。これじゃ、結婚するのも難しそうだな(笑)。 ――一人でいる時間は世間が抱く“きゃりーぱみゅぱみゅ像”と切り替えをしているのでしょうか? きゃりーぱみゅぱみゅ: 正直言うと、デビューして5年間くらいは公私ともにきゃりーぱみゅぱみゅだったと思います。友だちとも遊べないし、メールの返信すらできない生活でしたから。でも、どんなに仕事が増えて、有名になっても、家に帰ってきたら寂しさを感じることがたくさんあったんです。いま思い返すと、きゃりーぱみゅぱみゅという花だけが育って、本名の私の花が枯れてしまっていたからなのかもしれないです。 変化があったのは、デビュー5周年でベストアルバムを出したとき。活動が少しだけ落ち着いて、時間を作って友だちと遊んでいるうちに、どんどん友だちが増えて本名で呼んでくれる人も少しずつあらわれたんです。一人でも本名で呼んでくれる人がいると、周りの友だちも本名で呼んでくれるようになるんですよ。だから今は、きゃりーぱみゅぱみゅの花だけじゃなくて、本名の私の花も育って、すごくバランスが良くなりました。