アフタヌーンティーに極上スコーン! 未知のしっとり感 ザ・ペニンシュラ東京
■ホテルの伝統映す一品 「シンプルなのに存在感」
第1次世界大戦後間もない1928年、英国の植民地であった香港・九竜半島の先端にザ・ペニンシュラ香港が開業しました。のどかな田舎町はホテルの開業によって活気あふれる街へと発展し、ザ・ペニンシュラ香港は地域を代表する社交場となりました。 「アフタヌーンティーとスコーンは、ザ・ペニンシュラを象徴するメニューです。ゆえにシンプルだけれども、存在感が際立つものでありたいのです」と井上さんは言葉に力を込めます。繊細さと重量感を併せ持つ一品は、まさにその言葉通りの個性を発揮し続けています。 さて最後に、スコーンに欠かせないクロテッドクリームについて一言。これは英国のデヴォンおよびコーンウォールという2つの地方の名産品です。スコーンを食べる際、クロテッドクリームを先に乗せるのがデヴォン式、ジャムを先に乗せるのがコーンウォール式といわれています。 どちらがよりおいしく感じられるか、食べ比べてみるのもまた一興ですね。ただし、クリームもジャムも「塗らずに乗せる」。これはくれぐれもお忘れなきように。 文:THE NIKKEI MAGAZINE 編集長 松本和佳