「株価は上昇基調、だけど…」いまさら聞けない「新NISA」基本から知りたい、に答えます…経済のあらゆる「モヤモヤ」、記事と音声で
▽「少しずつ」「分散して」「長期的に」 投資でもうけるシンプルな方法は安いときに買って高いときに売ることですが、新NISAブームに乗るかどうかを判断する上で念頭に置かないといけないのは、現在の株価は上昇基調にあるとはいえ、かなりの高値水準だということです。 投資は宝くじやバクチほどではないとしても、失敗して日々の生活に支障が出たのでは元も子もありません。毎月の収入の中から「捨ててもいい」と思える程度のお金を投資に回すのが望ましいのではないでしょうか。「少しずつ」「分散して」「長期的に」といった姿勢で投資することが新NISAでも推奨されています。 バブル経済崩壊後も2001年の米中枢同時多発テロ、2008年のリーマン・ショック、2011年の東日本大震災といったように、株価暴落につながる出来事が何度も起きています。長期の運用が可能な若年層なら、こうした株価下落局面に買い増して経済の回復を待つことも可能ですが、現在のような株高局面で中高年がまとまった額をつぎ込み、その後に下落局面が続けば損失を取り戻せなくなる恐れがあります。
5年前にいわゆる「老後資金2千万円問題」が物議を醸しました。2千万円という数字が少し一人歩きした面はありますが、多くの人にとって老後を安心して過ごすには年金と退職金だけでは足りないことが懸念されているのも事実です。そういった状況で新NISAに飛びついて虎の子の資金を失えば、老後生活が暗転しかねません。政府や証券会社などがこぞって投資を呼びかける今こそ、いったん立ち止まって考えることも必要だといえます。