「株価は上昇基調、だけど…」いまさら聞けない「新NISA」基本から知りたい、に答えます…経済のあらゆる「モヤモヤ」、記事と音声で
投資信託は「インデックスファンド」と「アクティブファンド」に大別されます。インデックスファンドは日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)といった指数と同じ値動きをするように設計されたもので、アクティブファンドはそういった指数にはとらわれず、もっと良い運用成績を目指すものです。投資初心者の方はインデックスファンドから始めるのが良いでしょう。新聞やテレビなどのニュースで値動きを毎日チェックしやすいのが主な理由です。 投資信託をアイドルグループに例えると分かりやすいのですが、「推し」のアイドルグループが有名であれば、テレビに出演したり、ライブの模様が報道されたりする機会が多いので、どういった活動をしているのか把握しやすいですよね。インデックスファンドならアクティブファンドと比べて、知らないうちに価格が急落していて売却するタイミングを逃したといったトラブルを避けやすいといえます。 ▽「積み立て」投資で大きく損をすることも
新NISAはあくまで投資なので損失リスクを伴います。投資枠の名称に「積み立て」という言葉が付いているので誤解しやすいですが、資産が確実に増えるというわけではなく、「元本割れ」といって投資した元手から大きく減少して損をすることもあります。現在は株価の上昇によってSNSでもうかっていることが盛んに紹介されていますが、注意が必要です。 株価は企業の業績や世界の景気、紛争などの地政学リスクといったさまざまな要因が絡み合って決まっています。上がるから買うという投資家の期待が先行する場合も多く、実体経済と懸け離れすぎるとバブルと呼ばれる状況になり、それが何かのきっかけではじけて株価が暴落することもあります。 現在の日本経済は「土地神話」で全国が活気づいた1989年末のバブル当時とは様相が違っていて、歴史的株高の影で地方では人口減少に歯止めがかからず、大規模な再開発が相次ぐ都市圏との経済格差が広がっています。企業活動でいうと最近では、中国経済の悪化で業績不振に陥ったのを理由にオムロンや資生堂が早期退職を募集するなど、一部はリストラを進めています。庶民の多くは住宅ローンを抱えたり、子どもの教育費がかさんだりする中、肝心の賃金がなかなか増えず、食費や光熱費の高騰で厳しいやり繰りを強いられているのが実情です。