「株価は上昇基調、だけど…」いまさら聞けない「新NISA」基本から知りたい、に答えます…経済のあらゆる「モヤモヤ」、記事と音声で
2024年1月から始まった新しいNISA(少額投資非課税制度)が話題です。日経平均株価が約34年ぶりに史上最高値を更新しましたが、その要因の一つになったともいわれています。新NISAブームに乗って投資を始めるべきなのか。いまさら聞けなかったり、とっつきにくかったりする経済のことを「キホンのキ」から取り上げる共同通信ポッドキャストの番組「モヤモヤ経済クリアファイル」から、ダイジェストで紹介します。一緒に「モヤモヤ」を解消しませんか。(共同通信=松尾聡志) 【写真特集】それは絶頂と崩落だった 平成経済30年史 次代の教訓
▽日経平均株価が初の4万円 なぜ新NISAが盛り上がっているのでしょうか。要因の一つは歴史的な株高にあります。東京証券取引所の代表的な指数である日経平均株価はバブル経済絶頂期の1989年末に付けた3万9千円を超え、3月4日には4万円の節目を突破しました。日本経済はバブル崩壊後に「失われた30年」といわれる長期低迷が続きましたが、ここに来て大きな転換点を迎えています。「株価はまだまだ上がる」と考える人が増えて、買いが買いを呼ぶ展開になっています。新NISAでそれまで投資に縁のなかった人たちの資金が市場に流れ込んだのも株価の押し上げに一役買ったと考えられています。 NISA自体は2014年に始まりました。証券会社などに開設した専用口座で企業の株式や投資信託といった金融商品を取引した場合、その利益や配当(利益を分配して受け取るお金)にかかる税金がゼロになる制度です。通常口座だと例えば利益が10万円出た時に税金として約20%、約2万円差し引かれるため実際に受け取れるのは8万円です。それがNISA口座だと税金がかからず、まるまる10万円を受け取れます。
その制度が拡充されたのが新NISAで、より投資しやすくなったのが特徴です。「積み立て投資枠」と「成長投資枠」という2つの投資枠が用意され、一生涯で計1800万円までは税金がかからずに金融商品が買えて、商品の保有期間に制限もありません。この1800万円の枠は買い付けの金額で管理されるので、仮に100万円を使って投資信託を買ったとすると、残りの1700万円分はまだ課税されない状態で使えます。100万円で買った投資信託が200万円に値上がりしたとしても投資枠が1600万円に減るわけではなく、言い換えると、買った後にその投資信託や株式がどういう値動きをしたかというのは関係がないということになります。 ▽初心者はインデックスファンドから 投資信託は投資のプロに運用を任せる金融商品です。調査や分析を踏まえてさまざまな企業の株式などを買い入れて運用します。ファンドとも呼ばれます。ファンドは運用会社を指すこともあり、ドラマや映画になった「ハゲタカ」という作品を思い出す人が多いかもしれません。