西鉄が完全キャッシュレスバスの実証実験を開始!! だけど救済措置もあるっていうのは一体?
■実際の利用方法
バスの利用方法は、原則として現金以外の前述の決済手段(キャッシュレス決済)で乗降する。ここからが西鉄が考慮した救済方法だ。現金決済ができないということは、車内で現金を取り扱わないということと同義であろうと思われた。 しかし、バス車内でのICカードへのチャージや両替は可能だろうだ。よってICカードの残高不足でも車内で現金によるチャージはできるようなので、ICカード乗車券でチャージ切れでも大丈夫そうだ。 もう1点気になるのは、両替も可能という点だ。もしICカードもクレジットカードも持っていないとすると八方ふさがりになるのだが、「現金しかお持ちでないお客さまにつきましては、従来通り運賃箱へ現金をお支払いください」としており、そのための両替なのかと思われる。
■知見の蓄積が大切
もっとも、実証実験で既存の運賃箱を取り去ることはしないので、チャージも両替機能も生きているのだろうから、知らずに乗ってしまったら最後ということがないように、あくまでも原則キャッシュレスというスタンスなのだろうか。結局は現金でも払えるのかということになってしまう。 この点は実証で知見を蓄積してほしいところだが、キャッシュレス決済にはスムーズな運賃決済による混雑の緩和や、現金を取り扱わないことによる運転士業務の軽減があると予測される。果たして完全キャッシュレスバスの告知で、どれくらいの現金乗客が存在するのかの統計を取ることは重要だ。 前乗り均一運賃先払いであれば、「現金は使えません」と乗車拒否してしまえば済むが、対距離制運賃で後払いだとそうはいかない。取りっぱぐれ対策にもなるのだろうか。 経験の蓄積がないので、すべてはこれからだが、完全キャッシュレスに移行するにせよ、従前の潔斎方法を継続するにせよ、乗客の混乱だけは避けなければならないだろう。