第95回選抜高校野球 北陸、敦賀気比に春風 富山・氷見は21世紀枠で /福井
<センバツ2023> 27日にあった第95回記念選抜高校野球大会の選考委員会で、昨秋の北信越大会で優勝した北陸(福井市)と準優勝の敦賀気比(福井県敦賀市)に加え、21世紀枠で氷見(富山県氷見市)が選ばれ、3校は歓喜に沸いた。福井からの2校選出は、昨年(敦賀気比と21世紀枠の丹生)から2年連続。センバツへの出場は、北陸が34年ぶり2回目、敦賀気比が3年連続10回目、氷見は2010年の旧氷見と有磯の再編統合後は初となる。【センバツ取材班】 ◆北陸 ◇「ベスト4以上を目指す」 「よっしゃー」。北陸の選手らは午後3時半から始まった出場校発表のライブ配信を福井市文教1の屋内練習場で視聴。決定の瞬間、一斉に喜びの声を上げた。朝倉乗恵校長は「皆さんのおかげで、一足早く春が来た。おめでとう」とねぎらった。 昨秋の北信越大会では福井3位で出場。日本航空石川や敦賀気比など強豪を破り、34年ぶりに優勝。明治神宮大会でも4強進出を果たし、待望の春切符をつかんだ。笹井多輝主将(2年)は「甲子園を目標に、きつい練習を頑張ってきたのでうれしい。目標はベスト4以上。大阪桐蔭や神宮で負けた広陵と戦いたい」と話した。主戦の友広陸投手(2年)は「小さい頃からの夢だった甲子園の舞台に立てることがうれしい。一戦必勝でチャレンジャーとして頑張りたい」と意気込んだ。 林孝臣監督は「出場が決まりホッとした。元気よく思い切りやる姿を親御さんたちに見せたい」と述べた。【国本ようこ】 ◆敦賀気比 ◇「秋の悔しさ晴らしたい」 福井県敦賀市の敦賀気比の室内練習場では、古谷清和校長がナインに出場決定を伝達し、「感謝の気持ちを忘れず一戦一戦戦ってください。敦賀気比らしい元気なプレーを期待しています」と激励した。 コロナ禍の中止以降、5季連続の出場ながら、東哲平監督は「今回は準優勝で不安もあった」と率直な心境を吐露。一方、「勝って当たり前のプレッシャーの中、北信越の連覇が途切れた悔しさを一人一人がバネにして頑張ってきた」と、部員の努力をたたえた。 濱野孝教主将(2年)は「秋の悔しさを晴らせるのは甲子園しかない。まずは1回戦突破、最終的には日本一を目指したい」と、一戦必勝の心構えを口にした。昨秋のエース、辻晶太投手(同)は「甲子園は夢にまで出てくる場所で、本当に自分が立てるのか信じられない気持ち。モチベーションを上げて、もう一度背番号1を取りにいきたい」と決意を新たにした。【高橋隆輔】 ◆氷見 ◇「全員で強豪にも向かう」 氷見の選手らは富山県氷見市幸町の校内で、選考結果発表のオンラインライブを見守った。学校名が読み上げられた瞬間、「オー」という歓声があがり、握手やハイタッチで感激を分かち合った。 三津島淳校長が「甲子園では氷見の名前を全国にとどろかせてください」と祝福すると、村井実監督(59)は「生徒を育ててくれた氷見市民と喜びを分かち合いたい」と感無量な様子。大沢祥吾主将(2年)は「甲子園では17人全員で強豪にも向かっていけるような野球をしてきます」と力強く語った。 昨夏の富山大会決勝で惜敗し、大粒の涙を流した主戦の青野拓海投手(同)は「夢がかなって本当にうれしい。誰よりも練習を重ねて甲子園ではチームに勝利を」と弾ける笑顔を見せた。 林正之市長もこの日、学校を訪れ「大きく成長する寒ブリ魂で頑張って」とナインを激励。同市鞍川の市役所では毎日新聞の特別号外が貼り出され、来庁者と職員が喜びを共にした。【青山郁子】