50歳の会社員、「今から投資」はもう遅いですか? 息子が就職し「月6万円」の余裕が出ましたが、妻には「もう歳だから投資は危ない」と言われています。やはり堅実に“貯金”すべきでしょうか?
大学に進学した子どもがいる家庭では、学費や仕送りで家計のやり繰りが大変なのは言うまでもありません。しかし、その子どもが大学を卒業し月々の生活費に余裕が出ると、これまで興味のなかった投資なども気になってくるものです。 しかし、年齢が高い人であれば、リスクのある投資をやってもいいのか迷うことも多いのではないでしょうか。 そこで本記事では、50歳の人が投資にどう向きあい、月々の余裕資金をどのように運用すればいいのか、リスク資産に投資する場合とシンプルに貯蓄していく場合も比較しながら解説しますので、参考にしてください。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
50歳の人は投資にどう向き合えばいいのか
NISAなど資産運用を後押しする公的な制度も創設され、最近は投資に対する印象が変わりつつあるとは言え、やはり危険なイメージを抱く人は少なくないでしょう。まして定年退職や老後の生活が現実味を帯び始める50歳の人なら「リスクはおかせない」と考えるのも無理はありません。 それでは50歳になったら、投資はしないほうがいいのでしょうか? 結論から言えば、リスクを把握した上で、長期・積立・分散といったリスクを抑えた運用スタイルを取ることができれば、50歳の人でも安定した資産運用は十分に可能です。 例えば、過去の実績ではありますが、毎月同じ金額ずつ国内外の株式と債券に積立投資した場合、5年保有した場合では元本割れになるケースもある一方、20年保有した場合は元本割れしにくいというデータもあります。 50歳では長期投資に必要な時間がないと考えがちですが、70歳ぐらいまでは認知症のリスクも少なく、資産の状況次第で20年間運用を続けることは十分に可能でしょう。もちろん、今後の運用結果の保証がされているわけではありませんが、「50歳になると投資できない」と考えるのは早計です。 しかし、投資するにしても、若い世代に比べれば投資期間が短いのは事実ですし、余裕資金のどれくらいの割合を投資にあてれば良いのか悩ましいところです。そのため、年齢を考慮した例として、現金などの安全資産と、株式などのリスク資産の比率を「100-年齢」とするモデルを紹介します。 このモデルでは50歳の人のリスク資産への投資比率は「100-50=50」となり、安全資産対リスク資産の比率は「50:50」です。年齢を重ねると投資期間は少なくなり、定年後は収入も減少しますが、このモデルに従えば年齢とともにリスク資産の比率も下がるため、一定の合理性は感じられるのではないでしょうか。 家庭によって資産状況も違い一概には言えませんが、余裕資金のうちどれくらいを投資にあてるか迷った際は、1つの目安になるかもしれません。