【1分でわかる】仮想通貨(暗号資産)の「確定申告」。確認しておきたい3つのポイント
仮想通貨(暗号資産)取引で収益を得ても、年間20万円以下だったら確定申告は不要だ。 しかし、それ以上の収益を得たら、投資家自身で損益を計算し、確定申告を行わなくてはいけない。 本記事では会社員(給与所得者)向けに、暗号資産の確定申告について確認すべきポイントを分かりやすく解説する。 2024年は仮想通貨(以下、暗号資産)市場にとって、まさに激動の1年となった。 1月のSECによるビットコインETF承認を皮切りに、4年に1度のビットコイン半減期。3月の史上最高値更新とその後の調整局面、そして11月に入って、米国大統領選挙からの新たな史上最高値更新と、投資家を魅了する展開が続いている。 このような相場環境のなかで利益を得た投資家は多いだろう。しかし、その利益に対する確定申告については、意外と知られていない点も多い。 なにしろ株式投資と異なり暗号資産取引には、特定口座による確定申告の簡素化制度がない。そのため、取引所をまたいで取引を行った場合は、投資家自身で損益を計算する必要がある。さらに、暗号資産取引で得た利益は「雑所得」として総合課税の対象となり、給与所得などと合算して累進課税されるため、税負担が予想以上に大きくなることも考えられるのだ。 暗号資産取引も大いに関係する確定申告は、年末年始の慌ただしさからひと息ついたころにやってくる。本記事では、会社員(給与所得者)に焦点を当て、確定申告が必要となるケースや確認しておくべきポイントを分かりやすく解説しよう。 暗号資産取引による利益について、会社員が確定申告を行う必要があるかどうかを確認する3つのポイントを見ていこう。
ポイント1:年間利益が20万円を超えるかどうかを確認する
まずは今年の暗号資産取引で、確定申告の対象となるケースがあるかを確認したい。年末調整済みの給与所得者であれば「年間で20万円を超える利益を、給与以外で得る」と確定申告が必要になる。 暗号資産に関する以下の取引などで、どの程度利益が生じたかを確認しておこう。 売却により利益が発生:仮想通貨を円やドルなどの法定通貨に換金した売却益が、年間20万円を超えると確定申告が必要だ。年間の損益通算で売却損が出た場合は、基本的に確定申告は不要となる。 商品・サービス決済時に暗号資産で支払った:暗号資産決済対応の店舗やECサイトで商品やサービスを購入した場合、その時点での暗号資産の価値と取得時の価値との差額が課税対象となる。例えば、10万円で購入したビットコインが15万円相当になった時点で商品を購入すると、5万円分が利益となり課税対象になる。さらに売却での利益などと合算し、年間通算で20万円を超える利益を得た場合は確定申告が必要になる。 暗号資産で他の暗号資産を購入:ビットコインでのイーサリアム購入など、暗号資産同士の取引も利益が生じれば確定申告が必要になるケースもある。売却する暗号資産の取得価額と売却時の価額との差額が利益となり、他の暗号資産取引や商品決済などでの利益と合算して20万円を超える利益がある場合は確定申告が必要だ。 マイニング・ステーキング・レンディングの報酬で暗号資産を取得:マイニング(採掘)に成功したマイナー(採掘者)が得られる「マイニング報酬」、預金利息のように暗号資産を保有していると得られる「ステーキング報酬」、保有する暗号資産を取引所等に貸し出して得られる「レンディング報酬」として得られた暗号資産は、取得時の時価が利益となる。もし取得後に売却して利益が生じると、その売却益に対しても所得税が掛かる。 注意1:20万円という枠は、年末調整の対象となっていない収益すべてを合算した額だ。つまり暗号資産取引以外に、副業などで得た収益がある場合、それらすべてを合算して20万円を超えたら、すべて対象となる。 注意2:暗号資産の利益が年間20万円以下の人も、医療費控除やふるさと納税のために確定申告する場合は要注意。雑所得の金額を申告書に記入する必要があるのだ。20万円超の場合と同じく、以下のステップを確認しておこう。