【ジャパンオープン開幕直前SP】桃田賢斗本人が振り返る ジャパンオープン2018特別編 「応援のおかげで自分の力以上のものが出せたジャパンオープン。すごく楽しかった」
日本男子初のシングルス世界ランク1位。世界選手権連覇など、数々のタイトルを獲得した桃田賢斗選手が、初めてジャパンオープンで優勝した2018年大会を振り返ります。
後編では、初優勝を手にしたジャパンオープン2018の決勝戦を桃田選手と一緒に観戦。当時の心境を思い出しながら、激闘の記憶を振り返っていただきました。(インタビュアー:足立清紀)
決勝戦まですべてストレート勝ち
足立:さて、ここからは桃田賢斗選手が初優勝した2018年のジャパンオープン決勝の映像を一緒に見ていきたいと思います。こうして自分の試合を見る機会はありますか。 桃田:自分の試合を見ることはありますけど、カメラが回っている前で試合を見ながら話すことは、ほとんどありません。何を話そうかと思っていますが……(映像を見て)懐かしいですね。 足立:2018年の男子シングルス決勝。会場は武蔵野森総合スポーツプラザです。相手はコシット・フェトラダブ選手。タイの選手で、世界ランキングは当時26位でした。彼との対戦成績は、それまで桃田選手が全勝です。同い年なんですよね。 桃田:同じ年ですね。アジアジュニアや世界ジュニアでも彼の試合は見ていました。
足立:当時の桃田選手は世界ランキング4位。ただこのシーズンに、280位台から一気に上がっていきました。大会に向けたご自身の状態はどうだったのでしょうか。 桃田:ずっと試合をしていたイメージだったので、練習をすごくしたというよりは、ずっと試合をしていたなというイメージです。 足立:勝ち上がりを見ると、全部ストレート勝利。アントンセン選手、ゲムケ選手、リンダン選手、アクセルセン選手。そして決勝でした。ものすごい勝ち上がり方ですよね。 桃田:相手がすごいですよね。言い方が悪いですけど、決勝戦の相手が一番ランキングは低かったのかもしれないです。 足立:それでは、第1ゲームをハイライトで見ていきたいと思います。結果としては21-14で第1ゲームを取りましたが、覚えていますか? 桃田:上からのショットのタイミングが違うなと思っていました。でも1ゲーム目の終盤あたりからラリーを嫌がっている印象はあったので、このまま行けるだろうなとも思いました。 足立:映像は第1ゲーム、8-8で並ばれたところです。この辺りで「いけるな」という感じはありましたか? 桃田:この時は、ずっと緊張していました。初優勝がかかっていましたし「勝ちたい、勝ちたい」という気持ちで、ちょっと焦っていたかもしれないです。