【ジャパンオープン開幕直前SP】桃田賢斗本人が振り返る ジャパンオープン2018特別編 「応援のおかげで自分の力以上のものが出せたジャパンオープン。すごく楽しかった」
自分が崩れずに我慢できれば大丈夫
足立:第2ゲームが始まりました。積極的に相手がきますね。 桃田:1ゲーム目は僕が取ったので後がない状況ですし、2ゲーム目の出だしは上げてくると思っていました。ただ、2ゲーム目の出だしで離されてしまうとファイナルゲームのことが、ちょっと頭をよぎります。なので「ここは点数を離されないようについていこう」というイメージでした。 足立:フェトラダブ選手は、この大会でシー・ユーチー選手とチェン・ロン選手に勝って、決勝まで勝ち上がってきています。不気味さみたいなものはありましたか。 桃田:この時はあまりなかったですね。 足立:久々の対戦でしたが、第1ゲームを戦って印象の変化はありましたか。 桃田:球の強さ、ディフェンス、ショットの精度は対峙した時に大体分かります。なので、自分が崩れずに我慢できれば大丈夫かなというイメージもありました。 足立:桃田選手は、ショットセレクションがラリーの中でも早いですよね。打つまで分からないですし。 桃田:普段の練習からもそれはやっていて、自分の中でも意識していました。僕は、体もあまり大きくないですし、スマッシュが特別に速いわけでもない。ちょっとでも相手にストレスを与えるためにはどうしたらいいかなということは常に考えながらプレーしてきました。 足立:その中で、第2ゲームの出だしは追いかける展開になりました。
桃田:僕はスロースタートタイプなので、出だしにリードされることは結構あるんです。なので、そんなに慌てる感じではなかったですね。 足立:スマッシュもめちゃくちゃ切れている印象です。 桃田:クリアに対しての入りが、相手のイメージよりワンテンポ速いのかなと思います。スマッシュが速いわけではなく、自分がいい体勢で打っている分、相手が迷ってくれているのかなと。
気持ちは一生切らさない、終わるまで
足立:インターバルが明けて、会場も桃田選手の優勝を意識し始めている中での応援です。 桃田:この時、僕もめちゃくちゃ意識していたと思いますし、力も入っているかな。 足立:クロスも強烈ですが、相手もしっかりと返してきます。お互いに1発ずつパンチを出し合って、我慢のラリーになってきました。 桃田:しんどいですね(苦笑)。でも、気持ちが強い。相手がカットを打ってくるまで、自分は弱気なカットを打たない。ラリーが長くなってもクロススマッシュを打って、足を使って走ろうという強い気持ちですよね。ただ、自分は思いきり打っていないので「まだまだラリーをしてやるぞ」っていうぐらいで打っているかなと。 足立:全体で見ても大事なラリーでのポイントですね。 桃田:そうですね。相手のスタミナも削れたと思います。逆にこちらは「これは来たんじゃないかな」と思えるぐらいの1ポイントになりました。 足立:16ポイントまで来て、差は5ポイント。まだ気持ちは切らさない。 桃田:気持ちは一生切らさないです。終わるまで。