東大推薦合格者に聞いた 総合型選抜に関するよくある「お悩み」とは
大学受験で、総合型選抜入試を受験する生徒の数は最近かなり多くなってきている。文部科学省が2024年2月に公表した「大学入学者選抜の実態の把握および分析等に関する調査研究」によると、大学入試全体での一般入試の割合は48.9%に対し、学校推薦型選抜30.5%、総合型選抜20.6%で、学力で大学合格を目指す一般選抜よりも推薦型・総合型(旧推薦入試・AO入試)の割合のほうが多くなっている。
しかし総合型選抜入試はまだ情報が少なく、また一般入試と違い、「この参考書をやってこれを覚えれば問題が解けるようになる」というような定式がない。採点方式が明確に存在するわけでもないため、対策で悩むことが多い受験生が後を経たない。今回は、東大推薦合格者たちに聞いた、よくある総合型選抜の悩みとそれに対する答えについて共有したい。
悩み1 志望理由書がうまく書けない!
志望理由書がなかなかうまく書けない、という受験生はとても多い。その大学に行きたいとは思っているし、やりたいことも見えているが、なかなかうまく言葉にできない、ということがある。
東大推薦生も、こうした点について苦労していたことは多かったようだ。「なぜその大学に行きたいのか」という質問の答えを考えようとするとなかなか形にならず、質問も漠然としていて、答えが定まらないからである。
その苦難をどう乗り越えていたのか。「なぜその大学に行きたいのか」ではなく、「他の大学ではダメな理由」を考えることがポイントだという。この方が、質問が具体的で、考えやすいのである。
逆に、「その大学・学部でしかできないこと」を考えていないと、たとえどれだけ素晴らしい志望理由書を書いても、「それって他の大学でもできるよね」「その研究だったら、他の大学の方が向いているよね」と言われてしまう余地があるようでは、不合格になってしまうケースが多い。
「その大学・学部でしかできないこと」は何か、という観点で、その大学のホームページやパンフレットを読み込んでみよう。アドミッションポリシーや、その大学で実際に行われている授業・その大学で授業を受けもっている先生の情報を集め、「ここの大学でしかできないことは何か」「ここの大学でないといけない理由は何か」ということを調べていく。さらにその際に、自分の今までの経歴や、自分の将来就きたい職業などを意識することで、「この職業に就くためには、こんな経験をしておくべきだから」というように、だんだんと方向性が見えてくるだろう。