韓国大統領室「金正恩委員長が訪ロの可能性…年内に偵察衛星打ち上げも」
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長がロシアのプーチン大統領と会うためにロシアを訪問する可能性があると、申源湜(シン・ウォンシク)国家安保室長が24日明らかにした。 申室長はこの日、聯合ニュースTVのインタビューで、金正恩委員長のロシア訪問の可能性を尋ねる言葉に「その可能性は排除しがたいとみている」と答えた。申室長は「6月のプーチン大統領の訪朝に対する答礼訪問の形式、またはプーチン大統領が北の派兵に感謝するための礼遇レベルとも考えられる」とし「いくつかの敏感な懸案を扱うかもしれない」と述べた。ただ、金正恩のロシア訪問時期については「時点まで予断するのは難しい」と話した。国家情報院は20日、北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外相が今月初めにプーチン大統領と会談したのをきっかけに、金正恩委員長のロシア訪問の可能性を国会に報告した。 申室長は北朝鮮の追加派兵の可能性にも言及した。「北朝鮮軍の派兵規模が10万人に増える可能性がある」というウクライナのゼレンスキー大統領の最近の発言と関連し、「未来のことなので予測するのは難しい」としながらも「北が(すでに派兵された)1万1000人に追加で派兵をする可能性があるかないかという議論になるが、その可能性は十分にある」と明らかにした。そして「(ロシアは)来年の早期終戦に向けてクルスク奪還のために攻勢を強めている」とし「兵力の犠牲が多いため、北も戦闘に投入されれば死傷者が増えるだろう」と予想した。続いて「従来の兵力を維持する補充のためにも追加の派兵が求められるだろう」とし「(追加の派兵)規模は分からないが、今よりも増える可能性が高い」と述べた。 北朝鮮の偵察衛星打ち上げが迫っているという分析も出した。今年3回の偵察衛星打ち上げを公言した北朝鮮が5月以降は実施していないことについて、申室長は「北が話した3、4回の打ち上げはひとまず難しいとみる」としながらも「新型発射体系を備え、計量して推進体系を統合するのに時間がかかるようだ」と話した。北朝鮮がロシアから完成品形態で導入した「液体酸素・ケロシン(灯油)」新型エンジンと従来の発射体系を誤差なく一つにする作業に心血を注いでいるということだ。 申室長は「昨年まで北は(衛星打ち上げに)独自の運営体系を使用したが、ロシアから導入された極超音速推進体系で計量するはず」とし「従来の1・2・3段推進体系、3段ロケットを統合するために異例にも多くのエンジン燃焼実験をした」と説明した。政府はロシア製エンジンと従来の部品の結合、1段から3段まで続く燃焼の過程などに関連して北朝鮮が完結性を図る試験を重点的に行ったとみている。申室長は「準備は最終段階」としながらも「(打ち上げ)切迫の兆候は平壌(ピョンヤン)近隣から発射体を東倉里(ドンチャンリ)に移動する時だが、そのような兆候はまだない」と伝えた。 北朝鮮の降仙(カンソン)や寧辺(ヨンビョン)で毎年200キロの高濃縮ウラン生産が可能という専門家らの分析については「多くの部分が事実」としながらも「(ウラン)濃縮施設の現況や濃縮量はもう少し分析が必要」と述べた。 申室長は韓中関係については前向きな見方を示した。申室長は尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の南米訪問を機に行われた習近平国家主席との韓中首脳会談に言及しながら「2年ぶりの首脳会談だったが、とても温かい雰囲気で対話が進行した」とし「ロ朝間の協力に対して尹大統領が『中国が建設的な役割をしてほしい』で要請し、習主席は即答は避けたが『対話と交渉による政治的解決』を強調した」と伝えた。 申室長は「尹錫悦政権が発足した後、韓米同盟をしっかりと固めたところ、韓中関係が良くなった」とし「韓中関係は韓米同盟と切り離せない関係だ。コインの裏表のように相互補完的な関係であり正比例の関係」と規定した。続いて「トランプ新政権が中国に対する圧力を強化して米中葛藤が深まれば、むしろ我々が韓米同盟を固めながら韓中関係をさらに改善するレバレッジを持つことができる」と説明した。習主席が来年の慶州(キョンジュ)アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議のため訪韓する可能性については「次の議長国が中国であり、その(訪韓の)可能性をさらに高めている」と話した。 尹大統領とトランプ米次期大統領の会談については「11月7日に両首脳が電話をした当時、私が同席していた」とし「実際、会おうという言葉はトランプ氏が先に3、4回した」と伝えた。続いて「ところがその後、トランプ次期大統領側が人選問題や各国が事前に(トランプ氏との)会談を望む問題など複数の点を考慮し、『就任前に外国の首脳とは会わない』という原則を立てたと理解している」と述べた。