アイス輪切りレモン、皮まで食べる? 国産にできない? メーカーに聞いた
「その論争は承知しています」
輪切りレモンが乗ったシャーベットアイス。記者はよく食べるのだが「レモンって、皮まで食べるもの?」とずっと疑問に思っていた。複数の同僚に聞いたが、意見は分かれた。 【表で見る】国産化へのハードルは 日本農業新聞の記者が食や農に関する情報を発信する音声配信サービス「聞く農」でも、リスナーに意見を募った。「皮の苦みが好きで丸ごと食べる」「皮は残す派!」などの声がコメント欄に寄せられ、またもや意見は分かれた。 製造元はどう考えているのか。気になった記者は、本紙「農家の特報班」として取材を開始。シャーベットアイス「サクレレモン」を生産・販売するフタバ食品(宇都宮市)に取材を申し込んだ。 「その論争は承知しています」。取材に応じた同社取締役企画部の小野泰司部長は、笑顔混じりにそう答えた。 「酸味の強いレモンと甘いかき氷の調和は難しく、やっと独自の味にたどり着いた。輪切りのレモンはサクレレモンの根幹。できれば食べていただきたい」(小野部長)というのが同社の答えだ。 輪切りレモンについて、もう一つ疑問があった。国産かどうかだ。 同社はサクレレモンに年間350トンのレモンを使う。主に米国産とチリ産だという。 「ただ…」と小野部長が続けた。「実は一部限定で、国産を使った商品もあるんです」。 そんな商品があるとは。ならば、輸入レモンを使う通常品も、国産に切り替える可能性はないのか。
一部PBは国産使用
記者が詳細を尋ねると、小野部長は「小売り側のニーズに応じて企画した商品」と説明する。 瀬戸内地方から年間約7・5トンのレモンを仕入れ、一部チェーン店のプライベートブランド(PB)商品として製造しているという。 PB商品だけにとどまらず、サクレレモンに使う輸入レモン350トンが国産に置き換われば、新たな需要が生まれる。そう考えた記者は、同社がどんなレモンを求めているかを尋ねた。 小野部長は、(1)外国産と同等かそれ以下の価格(2)製造期間に合わせた1~8月の長期出荷(3)皮が硬く円柱のような形状--の3点を挙げた。