スマホよりも軽い185グラム!超軽量「VRヘッドセット」の勝算、VRChatに最適化しつつもビジネス用途まで幅広くカバー
■ビジネスユースもこなす性能 一方、ビジネス分野でもVR技術の応用が進んでいる。パナソニックの小塚雅之氏によると、ビジネスにおけるVR活用は多岐にわたり、それぞれのシーンで特有の要求がある。 自動車産業では、VRの活用が急速に進んでいる。デザイン段階では、実物大の3Dモデルを詳細に検討するため、高解像度と優れた色再現性が求められる。製造工程では、大型機械の動作確認や安全性検証にVRが用いられ、長時間の使用に耐える快適性が重要となる。「車の製造装置をシミュレーターで確認する際、長く着けられる軽いヘッドセットが必要です」と小塚氏は説明する。
建築業界でもVRの需要が高まっている。建築物の内覧や設計段階での空間確認には、高い没入感と視野角の広さが重要だ。同時に、複数の関係者で確認を行うため、素早く装着できる利便性も求められる。 CADやデジタルツインの分野では、複雑な3Dデータの可視化が主な用途となる。ここでは特に高い解像度が必要とされ、色の正確さも重要だ。小塚氏は「Autodeskとの協業では、ハイエンドモニターレベルの色解像度が求められました」と語る。
さらに、MeganeX superlight 8Kの「跳ね上げ式」機能は、このような3D設計作業において特に有用だ。設計者はVR空間で3Dモデルを確認しながら、必要に応じてディスプレイを跳ね上げてPC画面を見ることができる。VR空間での作業とPC上での作業をスムーズに切り替えることが可能になる。従来のVRヘッドセットでは、VRモードとデスクトップモードの切り替えに手間がかかっていたが、この機能によりワークフローが大幅に改善される可能性がある。
これらの用途に共通するのは、高解像度、優れた色再現性、長時間使用時の快適さだ。しかし、従来のVRヘッドセットでは、これらの要求を同時に満たすことが難しかった。「大きくて重いゴーグルは、性能は高いものの長時間の使用には適していません」と小塚氏は指摘する。 さらに、MeganeX superlight 8Kはビジネスユースを想定して、オペラグラスのような使い方も可能としている。本体下部にカメラ用一脚を取り付けられるアダプターを装備しており、VRヘッドセットを手で持って覗き込むように使用できる。この機能により、従来のヘッドマウント型デバイスでは難しかった「ちょっと覗く」ような使用が可能になる。展示会でのデモンストレーションや、製品プレゼンテーション、建築現場での確認作業など、短時間で多くの人がVR体験を共有する必要がある場面で特に有用だと考えられる。