福井県内の「孤立予想集落」は46カ所、災害時にアクセス途絶の恐れ 福井新聞が位置や人口示すデジタルマップ公開
2024年元日の能登半島地震や9月の能登豪雨では、石川県内の多くの集落が土砂崩れなどにより孤立する事態に陥った。福井県内では災害時の道路寸断などによって孤立する恐れがある「孤立予想集落」が46集落あり、このうち7割近い30集落が嶺南に点在することが県への情報公開請求で分かった。国勢調査(2020年)や自治体が公表している各集落の情報と照合すると約1千世帯、2800人に影響が出る可能性がある。 【デジタルマップ】福井県内の「孤立予想集落」を一目で 内閣府は道路や海路でのアクセスが途絶し、人の移動や物資の流通が困難になる状態を災害時の「孤立」と定義している。 能登半島地震直後には、最大で24集落、約3300人が孤立した(1月8日時点)。9月21日に能登半島を襲った記録的豪雨では河川の氾濫や土砂崩落などで道路が寸断し、輪島市、珠洲市、能登町の3市町で計115集落が孤立状態となった(9月22日時点)。 福井県は15年、アクセス道路が1本しかなく、土砂災害警戒区域などの周辺にある46集落を災害時に孤立する可能性があると判断。市町別では、嶺北が福井市7、大野市3、越前町3、越前市2、勝山市1の16集落。30集落が集中する嶺南は小浜市が最多の10で、若狭町6、おおい町5、敦賀市4、高浜町4、美浜町1と続く。 福井新聞は、福井県内の「孤立予想集落」の位置や影響がある世帯数、人口を示すデジタルマップを作成した。集落の写真は2024年8~9月に撮影し、世帯数や人口は20年国勢調査や各市町が公表している数値を基にした。