阪神・中野選手会長“もの言う”チームに 2期目へ所信表明「風通しすごく大事」“選手ファースト”の環境作る
阪神の中野拓夢内野手(28)が28日、風通しの良いチーム作りを誓った。来季の選手会役員が決まり、昨年に続き選手会長に再任された。選手第一の方針を強調。藤川球児監督(44)からは「何かあったら直接、俺に言ってこい」とお墨付きを得ていることを明かし、「言える時は言おうと思う」と指揮官との直接対話も行う考えだ。 選手会長として2期目を迎えた中野が力強く所信表明した。「チームがより良い環境というか、やりやすい環境で選手が(プレー)できるためにやらないといけない仕事。しっかりと選手の意見を聞きながらやりたいなと思う」。選手の代表としての自覚をにじませ、“選手ファースト”の環境作りを打ち出した。 中野が理想とするのは“ものが言える”チームだ。「選手が言える環境がないといけない。実際にプレーするのは選手なので」。意見があっても胸の内に抱え、周囲の顔色をうかがいながらプレーしても好結果は望めない。グラウンドで選手が最大限の力を発揮できる環境を整えることが選手会長の務めと力説した。 藤川監督からも“お墨付き”を得ている。「『何かあったら直接、俺に言ってこい』というふうに言われたこともある」と明かし、「感じたことだったりは、監督に言える時は言おうと思う」と指揮官への直言も辞さない考えだ。「『言える』という環境があるだけでチームがより良い環境になってくると思う。上の人たちの風通しというのは、すごく大事だと思う」と組織論を語った。 オープンな組織は誰よりも藤川監督が望んでいる。「選手、コーチ、スタッフが言い合える組織であってほしい」と語っていた。同じ立場同士だけではなく、上司と部下の間でも胸襟を開いて意見をぶつけ合えるチームこそが強者にふさわしいと考えており、中野の見解と合致する。 ファン感謝デーや球団納会など、オフの公式行事であいさつに立ち、選手会長もすっかり板についてきたように映る。それでも「野球をやっている中で大変なことは正直あまり感じなかったが、シーズンオフになって球団行事が増えてきた時に、しゃべることを前もって考えたりとか、そういう大変さをすごく感じました」と苦笑いした。 四苦八苦しつつも「しっかり周りを見ながら、しっかりチームを見ながらやれれば」と続投に意気込んだ。覇権奪回を目指す藤川阪神の先頭には、頼もしい選手会長がいる。