【プレゼントにおすすめ】子供と読みたいアート・美術の本【8選】
【10歳~/アーティストの声に耳を澄まして】はじめての絵画の歴史 ―「見る」「描く」「撮る」のひみつ―(ディヴィッド・ホックニー、マーティン・ゲイフォード)
青幻舎 2700円+税 現代を代表するアーティストのホックニーと美術史家のゲイフォードによる絵画論が、大人から子供まで楽しめる切り口で展開される1冊。レオナルド・ダ・ヴィンチ、歌川広重、ゴッホ、モネ、ピカソら約50人のアーティストの図版約70点を掲載していて、大判なので見応えもあり。本作がユニークなのはホックニーらの語りで進行していくこと。絵の評価というのは、その絵を「誰が」「どのように」見るかということにかかっている。そんな見る側の視点にも気づかせてくれるきっかけになりそうです。
ルイーズ・ブルジョワ 糸とクモの彫刻家(エイミー・ノヴェスキー=文、イザベル・アルスノー=絵)
河野万里子 訳 西村書店 1800円+税 「ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ」が森美術館で9月25日~ 2025年1月19日に開催し、好評を博しているルイーズ・ブルジョワ(1911~2010)。その幼少期からアーティストになるまでの物語が綴られた伝記絵本です。タペストリーの修復を生業とするブルジョワの母親のもと、少しずつ仕事を覚えていくブルジョワ。そんな姿が美しいイラストとともに描かれていきます。しかし、ブルジョワは、子供の頃からつねに大きな喪失感を抱えている。それを埋めるために、直すために、創作していく。そんなストーリーなので、子供に渡したり、一緒に読む前にはちょっと心の準備が必要かもしれません。でももし身近に、たとえばブルジョワ展を見て、何かを感じとっているような小中学生とか、寂しさを抱えたティーンエイジャーとかがいたら、そっとプレゼントできたらいいんじゃないかな。そんなことを思いリストに入れました。もちろん大人の方にも。 ほかにも画家を主題にした伝記絵本や、有名作家による名作絵本、「工作」「創作」の手解きをする本などたくさんあります。ぜひアートな本とともにおうち時間を楽しくお過ごしください。
福島夏子(編集部)