急きょメインの堤駿斗、8回TKO勝ち「終わりよければすべてよし」【ボクシング】
ボクシングWBAスーパーフェザー級挑戦者決定戦が31日、東京・大田区総合体育館で行われ、同級9位・堤駿斗(25)=志成=が同級14位で元同級正規王者のレネ・アルバラード(35)=ニカラグア=に8回1分55秒TKOで勝利した。井岡一翔(35)=志成=のWBAスーパーフライ級タイトル戦が、王者フェルナンド・マルティネス(33)=アルゼンチン=のインフルエンザ感染で中止。急きょメインを張った堤が、会心のボクシングで世界奪取に王手をかけた。 ◆大トリはMISIA…紅白歌合戦出場歌手&曲順【画像】 せきを切ったような猛攻だった。ロープを背負ったアルバラードの顔がパンチで跳ね上がり、足がよろめき、体がくの字に折れると、ダメージを考慮したレフェリーが割って入る。ジャッジ3者ともフルマークをつけるワンサイドの末のTKO勝利。堤駿斗は、プロ転向6戦目で層の厚いスーパーフェザー級世界挑戦者決定戦を圧勝した。 「自分自身、合格点をあげてもいいかなと。もっとできるという部分もありましたが、終わりよければすべてよしという性格なので」 アマチュアで日本初の世界ユース優勝を含め13冠。プロでも日本記録のデビュー3戦で東洋太平洋フェザー級王座を獲得した。だが、4月のフェザー級戦で体重超過してしまう。新型コロナウイルス感染の影響だが、リングで深く頭を下げた堤はスーパーフェザー級転向を決意した。 「何度も辞めようかと思いました。でも、軽々に辞めても応援してくれた方への恩返しにはならない。リングに上がり、少しでも日本のボクシングはおもしろいと思ってもらうことが自分の仕事だと意識してきました」 さらに前日、元世界4階級制覇王者・井岡一翔(志成)の対戦相手の体調不良でメインイベントを任されることに。いい内容を見せなければならないプレッシャーも重くなったが、堤はKO勝利で見事にクリアした。 試合後、祝福のためリングに上がった井岡と言葉を交わした。「来年、必ずいっしょに世界チャンピオンになりましょうね、と話をさせていただきました」と、堤は照れながら話した。王座返り咲きを目指す井岡と、世界挑戦権を得た堤。10歳差の志成ジムの2人は、2025年ともに世界を狙っていく。
中日スポーツ