83歳の空手家、南里宏さん、腕の筋肉は盛り上がり、腹筋は割れる

「83歳でも腹筋は割れる」こう言って筋肉隆々のボディを見せるのは伝説の極真空手家、南里 宏さん（なんり・ひろし/83=新極真会・東京東支部支部長）だ。 　脂肪は限りなく少なく、腹筋は割れ、力こぶや広背筋も盛り上がる。会話も弾み83歳には思えない。なぜこの若さを保っているのか。 【フォト&動画】”83歳”南里さんの割れた腹筋！83歳の”高速パンチ連打”動画も 　南里さんといえば、宙吊りのブロックを拳で割ることが有名だ。１９８３年、極真総本部で吊るされたブロックに極真の猛者たちが突きを叩き込んでいた。なかなか割れるものがおらず、大山倍達総裁が「これを割ったら、茶帯は初段、初段は二段、審査なしで一段昇格させるよ」と檄を飛ばした。それでも割るものがいなかったが、南里さんが挑戦すると、思い切って全体重を乗せて一撃！ブロックは粉々に砕けた。四段だった南里さんは五段に昇格した。これを機に「試割りの南里」と呼ばれた。 　あれから40年あまり。南里さんは新極真会の東京東支部支部長を務めながら休みなしで毎日トレーニングする。午前中はゴールドジムでサンドバッグとシャドウボクシングを約１時間半、夕方は柔軟と筋トレを中心に２時間が基本。週3回は夕方に空手の指導が入るので、19時からジムでトレーニングを行っている。 　ジムでのシャドウは午前は連打とステップ重視。「最近はボクシングのワシル・ロマチェンコの動きを研究してます。あの独特のステップからパンチのコンビネーション。YouTubeがあるからそれで研究してね。ロマチェンコの動きを空手に生かしています」という。 　朝にYouTubeでロマチェンコの動きを見て、そのイメージでジムで動くのだという。今回の取材でその動きをお願いしたら動きも軽快だ。さらに2kgのオモリを両手に持ち怒涛の連打を始めると「ロマチェンコーォォォ！」と叫び気合いを入れた。 　夕方の筋トレは柔軟のあと腹筋と背筋を合わせて約５００回。傾斜のある腹筋台で正面腹筋をほぼ連続で100回。腹筋の左右サイドを100回づつ、足上げ腹筋100回、そして背筋を100回だと胴回り全体を鍛える。 　さらに上体をあまり起こさない細かい腹筋を連続で2~300回することもある。 「ウエスト周りを重点的に、お腹が出ないようにね。83歳でも腹筋は割れます。筋肉は歳をとっても成長しますから」と南里さん。さらに筋肉を鍛えると認知症の予防につながることも知られている。 　南里さんは、続けて、腕や肩のトレーニングへ。懸垂、スミスマシンでは軽い重量でベンチプレス、足のトレーニングはレッグカールやレッグエクステンションで太ももの正面と裏も鍛えている。 　「ベンチは30kgほどの軽い重量でスピードをつけてやっています。昔は重い重量でもやっていたけど、あくまで空手のパンチのスピードをつけるためなので。空手家のパンチが遅くなってはだめだからね。」 　さらに数種類の拳立て腕立て伏せも解説してくれた。 　筋肉痛については「基本は起こさないね。筋肉痛はたまにやるからなるものだよ」 　83歳、腰は曲がらないかの問いには「曲がらないよ～（苦笑）いつもストレッチやってるからね」と反応がいい。 　今でも元気な理由については　「自分はもう歳だからできない、身体がまだ動くのにそれを言っちゃうと、体は退化していく。定年退職しテレビばかり見ていると身体も弱ってボケてくる。あとはね、男の色気です」とはにかんだ笑顔。 そして「ここまで頑張っているのは、いつまでも女の子にモテたいから」と驚きの理由を語った。 「男としても現役でなきゃ。それがないと、動物として考えても雄としての役割が終わりになって老いてくるだろう。いつまでもかっこいい身体でいなきゃいけないし、お腹も出ちゃだめ。かっこいい服も着て。さらに男として強くなきゃいけない。だから空手がおすすめです」 　空手の組手については「やるよ。当てないマススパーリング。ステップを使って相手の動きを見切ってから攻撃している。シャドウでしっかり動いてイメージしたものマススパー出してます長生きしたいなら俺んとこに来い。一緒にトレーニングしよう」 ※次回は南里さんの食べ物、元気で長生きの秘訣に迫る。 【新極真会　東京東支部　南里道場】 両国道場：東京都墨田区千歳3-17-20 ソレイユ千歳1階 江戸川道場：江戸川区江戸川２丁目３３番９号江戸川コミュニティ会館 https://karate-tokyohigashi.com/index.html