息子が一生懸命アルバイトをしていた最中に「けが」をしました。補償はありますよね?
息子さんがアルバイト中にけがをすることもあるでしょう。そんなとき、親としてはけがの状態も心配でしょうが、同時に、補償が受けられるかどうかも気になるところではないでしょうか。 本記事では、息子さんがアルバイト中にけがをしてしまった場合に補償を受けられるかどうかについて解説します。お子さんがいらっしゃる方の参考になると思いますので、ぜひ最後までお読みください。
アルバイトに補償はあるのか?
けがをしたときにまず思い浮かべたいのは、社会保険です。社会保険でけがに対応するのは健康保険・国民健康保険と労働者災害補償保険(労災保険)です。 健康保険・国民健康保険は日常生活におけるけがを補償するための保険であり、労災保険は仕事中(通勤を含む)のけがを補償するための保険です。したがって、今回の場合は労災保険を使うということになります。 アルバイトであっても労災保険には加入しますので、息子さんのけがは労災保険で補償されます。労災保険の給付にはいくつか種類がありますが、今回は「療養(補償)等給付」を受けられます。 療養(補償)等給付には「療養の給付」「療養の費用の支給」があり、以下のような違いがあります。 ・療養の給付:労災病院や労災保険指定医療機関など(以下「指定医療機関」といいます)で療養を受けた場合、無料で治療や薬剤の支給などが受けられる(現物給付) ・療養の費用の支給:指定医療機関以外で療養を受けた場合、療養にかかった費用が支給される(現金給付。いったんは診療代などを立て替えて支払う必要がある) 対象となる療養の範囲や期間に違いはありません。近くに指定医療機関があれば療養の給付を受け、近くに指定医療機関がなければ療養の費用の支給を受ければよいでしょう。
補償の請求手続きはどうしたらよいか?
補償を受けるためには、請求手続きをしなければなりません。労働者がけがをしてから療養の給付・療養の費用の給付を受けるまでの流れを、以下で解説します。両者で若干の違いがあることに注意してください。 ■療養の給付を請求するには? 労働者がけがをしてから療養の給付を受けるまでの流れは、以下のとおりです。 (1)指定医療機関で被災労働者(けがをした労働者)が診療を受ける (2)「療養補償給付及び複数事業労働者療養給付たる療養の給付請求書」または「療養給付たる療養の給付請求書」に、事業主が証明(記入)する (3)(2)の請求書を、被災労働者が指定医療機関に提出する(最終的には所轄の労働基準監督署長に提出される) (4)厚生労働本省から指定医療機関に費用が支払われる ■療養の費用を請求するには? 労働者がけがをしてから療養の費用の給付を受けるまでの流れは、以下のとおりです。 (1)指定医療機関以外の医療機関で被災労働者が診療を受ける (2)「療養補償給付及び複数事業労働者療養給付たる療養の費用請求書」または「療養給付たる療養の費用請求書」に、事業主と指定医療機関以外の医療機関がそれぞれ証明(記入)する (3)(2)の請求書を、被災労働者が所轄の労働基準監督署長に提出する (4)厚生労働本省から被災労働者に費用が支払われる