仕事が取れる情報提供のコツ(横須賀輝尚 経営コンサルタント)
大企業に勤めていても副業が推奨される今、起業に興味を持つ人は増えています。そんな中、常に注目されているのが資格の取得。すでに資格を持っている人はもちろん、資格を取って独立したい人や資格に興味がある人に必読のQ&Aを、経営コンサルタントで士業(特定行政書士)でもある横須賀輝尚氏の著書「資格起業バイブル」から、再構成してお届けします。
■法律の解説なんて、誰も読まない
『Q.ニュースレターを書いていますが、顧客が増えません。何を書けばよいのでしょうか? ある程度顧問を持つ税理士です。毎月、お客様を増やそうとニュースレターを頑張って書いています。いつも時間がかかって大変なのですが、あまり紹介なども増えないようです。馴染みやすい法律の解説や、法改正などを丁寧に解説しているのですが、ニュースレターには何を書けば効果が出るのでしょうか?』 ニュースレターを発行しているということは、普通の税理士よりもマーケティング的にはちょっと上を行く事務所です。 毎月ニュースレターを発行するということは、文章を書き、印刷をして郵送するなどの手間がありますので、おそらく毎月大変な作業量だと思います。しかも、こういった仕事は職員からはなかなか理解されることがなく、結局所長自らニュースレターを作らなければならないことが多いようです。 そして、毎月の苦労が報われないとなれば、続かなくなってしまうのも自明の理といえ、最終的に「ニュースレターではお客は増えない」となってしまうのです。 では、本当にニュースレターは効果がないかといえば、もちろんそんなことはありません。ニュースレターを発行して仕事を取り続けている士業は税理士だけではなく全国に多数存在します。 ニュースレターで仕事を獲得するポイントは、「法律のことを書かないこと」です。厳密にいえば重要な法改正などお客様に影響の出ることは書いて欲しいのですが、普段は法律の用語解説や裁判例の紹介などをしないで、もっとあなたのことや事務所の職員のことを書いてほしいのです。 「法律に関係する士業なのに、法律のことを書かなくてもよいの?」と思われるかもしれませんが、法律の情報だけのニュースレターでは読まれません。 士業となるとどうしても法律で役に立ちたい、あるいは法律的に何か役に立たないといけないと思いがちですが、これでは読んでもらうことができません。今、あなたは士業として経営をしているので、法律に関することには興味があるでしょう。しかし、普通の人は法律のことを毎月読みたいかといえば、そこまでの欲求はないのです。 ここでハッキリといいましょう。経営に関係することでない限り、士業にとっては興味深くとも一般の経営者にとっては法律情報や裁判事例などは面白くないのです。面白くなければ読みません。読まなければ、毎月届いたとしても封を開けずにゴミ箱行きです。このような悪いスパイラルにはまると、ニュースレターからは反響がなくなり結果として、仕事の紹介もないのです。