仕事が取れる情報提供のコツ(横須賀輝尚 経営コンサルタント)
■個人的なことをもっと伝えよう
「重要な情報だから読んでほしい」そう思っても、あなたのクライアントでさえ「本当に重要なことは電話してくるだろう」と考えています。そもそも法律に明るくないからこそ士業に仕事を依頼するわけなので、法律の情報を送っても反響は取れないのです。 では、どのような内容が手応えを感じられるかといえば、前述のとおり法律のことだけではなく、あなたのことや職員の日常などを書いてほしいのです。「そんなことで仕事の紹介は増えるの?」と思われるかもしれませんが、まず法律で役に立とうと思っても読まれないという事実を認めましょう。 そして、ニュースレターの目的は「法律で役に立つ」ことだけではなく、「もっとお客様に好かれること」です。結局のところ、好かれないと仕事は来ません。そして好かれるためにはあなたの個人的な情報をもっと公開し、共通点を見つけ出してもらう必要があります。そのために個人的な情報を出す必要があるのです。 実際に、この手のニュースレターに切り替えてから仕事が入った、という声はクライアント士業の中からも多く出ています。個人的な情報なんかで仕事が取れるのか? と思われるかもしれませんが実際に取れています。自分を出すことを恐れずにぜひ取り組んでみてください。
■過度な期待をせず、定期的に出すことが重要
ニュースレターの送り先は、既存客と見込み客です。既存客にはできるだけ毎月出すようにしましょう。特に訪問頻度が少ない税理士は、何かアクションがないと「何もしていない税理士」と思われてしまう可能性があります。既存客はすでにあなたのお客様ですので、もっと好かれればより仕事を紹介してもらいやすくなるといえます。 これに対して見込み客、つまりはいつかお客様になるだろうというお客様については、配信頻度を決め、それを守るように配信しましょう。予算的に毎月は厳しいのであれば、2ヶ月に1回、3ヶ月に1回でもかまいません。弊社のクライアント士業では、四季に1回配信するいわゆる季刊誌のような配信の仕方でも仕事が取れているという事例もありますので、必ずしも毎月ではなくとも仕事は取れるといえます。 ただし、できるだけ不定期発行は避け、定期的に配信することを心がけましょう。定期的な配信は媒体の信頼度を高めます。日刊新聞、週刊誌、月刊誌とペースを守って発刊しているものには信頼性があります。逆にいえば、発行予定日に出ない雑誌などは信頼感を得られないものです。 たとえば、ニュースレターの失敗パターンは、「毎月出します」といって毎月出せず、徐々に2ヶ月に1回になり、半年に1回となり……というパターンです。こういう発刊の仕方をする事務所と、2ヶ月に1回、必ず配信する事務所とでは後者のほうが圧倒的に信頼感がありますし、仕事ができるように見えます。 継続は大変かもしれません。しかし、ニュースレターを出すことによって次第にセミナーの告知チラシなども入れられるようになりますので、別の集客に使えるようにもなります。ぜひ、継続して取り組んでみてください。 横須賀輝尚 パワーコンテンツジャパン株式会社 代表取締役/特定行政書士
【プロフィール】
1979年、埼玉県行田市生まれ。専修大学法学部在学中に行政書士資格に合格。2003年、23歳で行政書士事務所を開設・独立。2007年、士業向けの経営スクール『経営天才塾』(現:LEGAL BACKS)をスタートさせ創設以来全国のべ2,000人以上が参加。著書に『プロが教える潰れる会社のシグナル』(さくら舎)、『会社を救うプロ士業 会社を潰すダメ士業』(さくら舎)、『資格起業家になる! 成功する「超高収益ビジネスモデル」のつくり方』(日本実業出版社)、『お母さん、明日からぼくの会社はなくなります』(角川フォレスタ)、他多数。 X(旧Twitter) @pcjyokosuka