「ユイ!ユイ!」なでしこ長谷川唯はなぜ英国で愛される? “世界一の環境”マンチェスター生活「名前呼ばれるの嬉しい」「背が小さくてよかった」
パリ五輪でロンドン大会以来となるメダル獲得を目指すサッカー女子日本代表。そのチームで中核を担うのが、マンチェスター・シティでプレーする長谷川唯(27歳)だ。世界最高峰の環境を持つビッグクラブでの生活、そして、世代交代が進む「なでしこジャパン」で実現したい目標とは? 〈全2回の1回目/後編に続く〉 【画像】長谷川唯「昔は生意気でした」トガりまくってた16歳ベレーザ時代を見る!「大人になったなあ…」超カワイイ10年前のU-17W杯&今もコンビ健在の長野風花とニッコリ記念撮影
「ユイ!ユイ!」試合後に囲まれる
昨年11月、女子のマンチェスター・ダービーが初めてオールドトラフォードで行われた。先発した長谷川唯と途中出場の宮澤ひなた、2人の日本人のプレーに胸を躍らせた、その試合後のことだった。 スタジアムの外で「ユイ! ユイ!」と叫ぶ子供達の声が聞こえる。空耳のような気もしたが声のする方に目をやると、サインをする長谷川の姿と、長谷川を待つ多くのファンの姿があった。 この日はアウェイではあったが、長谷川がマンチェスターという街でしっかりと人気を獲得している姿は、なんだかちょっといいものを見たような気にさせられた。(ユナイテッドの宮澤はクラブの事情があり、だいぶ遅くなってから姿を現した) 2022/23シーズンからマンチェスター・シティでプレーする長谷川だが、今シーズンはリーグ2位で終了した。2季連続で優勝は逃したが、チームの成績以上に長谷川個人に対する評価は高く、確認できたメディアだけでも「デイリーテレグラフ」「ニューヨークタイムズ」「ESPN」「GOALグローバル版」で2023/24シーズンWSL(Women’s Super League)のベストイレブンに選出されている。 この夏、パリ五輪に向かうなでしこジャパンの中心選手であるだけでなく、紛れもない欧州のトッププレイヤーとなった。 ペップ・グアルディオラ率いるマンチェスター・シティは史上初のプレミアリーグ4連覇を達成したビッグクラブだ。その規模をイメージするのはさほど難しくないが、長谷川が所属する女子チーム、正確には「マンチェスター・シティ ウィメンズフットボールクラブ」とは、どのようなところなのだろうか。 女子チームはアカデミーと同じ建物を使用しており、男子チームとは同じ敷地内ではあるものの別の施設を使う。時々、男子の練習を目にすることはあるが、長谷川曰く、日常的には男子選手と会うことはほぼないという。 建物内にあるトレーニングやリハビリの施設は「日本でやってたときに比べたら充実しているし十分ですけど、男子の方が一つ一つワンランク上な感じ」だそう。 敷地内には10面を超えるフルピッチのほか、室内の人工芝が一つ、GK専用の練習スペースも。中心には「エティハドスタジアム」に加えて、WSL唯一の女子専用スタジアム「ジョイースタジアム」を持つ。ざっと説明を聞くだけでもため息の出るような環境だが、長谷川がクラブの力を感じるのは別のところにある。
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