まさにドラマチック! 奈良記念の“劇的兄弟ワンツー”に「惜しみない拍手贈りたい」/奈良競輪G3・決勝回顧
準決勝3レースはすべて、近畿勢のワンツー決着に。その結果、決勝戦に出場する9名のうち7名までが近畿勢という、まるで近畿の地区プロというメンバーとなりました。並びがどうなるかが注目されましたが、脇本選手の提案で、3つのラインに分かれての勝負に。お互いやりづらい面はあるでしょうが、このほうが多くの選手に優勝するチャンスができるのも事実で、車券的にもグンと面白くなりましたよね。 唯一の3車ラインとなったのが、古性選手が先頭の近畿勢。現役最強のオールラウンダーが、敵となった脇本選手に対してどう対応してくるか、注目です。その番手を回るのは、近況でよく連係している南修二選手(88期=大阪・42歳)。近畿地区の選手が相手でもキッチリ止めてくれそうな南選手が後ろにつくのは、古性選手にとっても心強いでしょう。そして、ライン3番手は松岡健介選手(87期=兵庫・45歳)が固めます。 脇本選手は、東口善朋選手(85期=和歌山・44歳)とのコンビで勝負。車番に恵まれなかったのもあって、初手での後ろ攻めが濃厚ですね。となれば、脇本選手が動いたときに先頭にいる選手は、タイミング次第ではかなりキツい展開を強いられそう。デキがいいときの脇本選手は、本当に手がつけられないほどの強さをみせますからね。番手を追走する東口選手も、ここは一瞬たりとも気が抜けません。 そして、地元代表である三谷竜生選手(101期=奈良・36歳)は、三谷将太選手(92期=奈良・38歳)との兄弟タッグで勝負です。三谷竜生選手は昨年の覇者で、このシリーズでの走りも非常にいいのですが、いかんせん相手が超強力。脇本&古性という近畿のツートップを向こうに回すとなると、中団でうまく立ち回るのは必要条件で、さらに展開面での助けも欲しいところです。
最後に北日本勢ですが、こちらは菅田壱道選手(91期=宮城・37歳)が先頭で、番手が守澤太志選手(96期=秋田・38歳)という組み合わせ。奈良の兄弟タッグと同様、中団でどれだけうまく立ち回り、勝機を逃さず捲りにいけるか次第でしょう。北日本勢にとって本当に大きかったのが、近畿勢が3ラインに分かれてに四分戦となったこと。菅田選手もデキは上々のようなので、ぜひ意地をみせてもらいたいですね。