ヒズボラが停戦後初攻撃 対イスラエル 「警告的な防衛対応」と声明
レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラは2日、停戦合意後初めて、イスラエルの軍事拠点を攻撃したと発表した。ヒズボラは声明で、イスラエルの度重なる停戦違反に対応するもので、「警告的な防衛対応だ」としている。ヒズボラが運営するテレビ局アルマナルが伝えた。 【写真】2024年11月29日、演説するイスラム教シーア派組織ヒズボラの最高指導者カセム師。アルマナル・テレビから=ロイター イスラエル軍は、ヒズボラがレバノンとイスラエルの係争地シェバ農場に向けてミサイル2発を発射したと発表。死傷者は出なかった。この攻撃を受けて同軍は、レバノン南部のヒズボラのミサイル製造施設を攻撃したと明らかにした。その前にも、レバノン各地の数十カ所のヒズボラの軍事拠点を攻撃したという。 ロイター通信によると、レバノン保健省は2日、イスラエル軍によるレバノン南部への攻撃で9人が死亡し、3人が負傷したと発表した。イスラエルのネタニヤフ首相は、ヒズボラによるシェバ農場への攻撃に対して、停戦の「重大な違反」であり、強硬に対応すると発言している。 ヒズボラとイスラエルの戦闘を巡っては、11月27日にレバノンとイスラエルの両政府の停戦合意が発効した。イスラエル軍は「停戦合意の条件に違反する脅威を取り除く」と主張し、レバノン南部の複数の地点でヒズボラに対する作戦を継続している。停戦合意後も、戦火がおさまっていない状況が続いている。(藤原伸雄)
朝日新聞社