夜に突如の宣言、在留邦人も不安「いったいこれからどうなるのか」…違反者は令状なしで拘束
【ソウル=仲川高志】4万人を超える日本人が暮らす韓国で3日夜、戒厳令が突如、発出された。経済や日韓関係などへの影響は計り知れない。現地の邦人や日本企業関係者らには困惑が広がっている。
ソウル中心部では、3日深夜現在、多くのバスやタクシーが通りを行き交い、飲食店も通常営業を行っていた。
ただ、3日の韓国・戒厳司令部の布告では、集会や報道などが厳しい統制を受け、違反者は令状なしで拘束されるとされている。4日朝以降、国民生活に支障が出始めるとみられる。
日本人向けの観光ツアーや個人旅行などへの影響は必至だ。ソウルや韓国各地には日本企業が多く進出しており、4日以降、臨時休業を余儀なくされる可能性もある。在留邦人の一人は「いったいこれからどうなるのか」と不安げな表情を浮かべた。
改善基調にある日韓関係への影響も懸念される。日韓両国は来年、国交正常化60年の節目を迎える。来年1月には石破首相が訪韓し、韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領と首脳会談する方向で調整が進んでいるが、日程が変更になる恐れもある。国交正常化60年に合わせた関連行事も検討が進んでおり、戒厳令が水を差すことになりかねない。