「AI美女が荒稼ぎ」独身の中国人男性たちが陥る沼 ミス東大でも注目、ディープフェイクの今
中高年のおじさんを狙うAI美女にはセクシー美女系と、「あなたのことを誰よりもわかっている」感を出す寄り添い系の2種類の戦い方がある。 後者の代表例は中国版TikTok「抖音(Douyin)」で1000万人超のフォロワーを抱えるアカウント「チョコレート、ミニレモン」で、独身男性に寄り添い、彼らの自己肯定感を高めるようなショート動画を配信している。 人間のトップライバーは情報感度が高く、消費意欲が旺盛な若い女性をターゲットに、高単価のアパレルや化粧品を販売するが、AI美女ライバーたちはおじさん向けにライターやスリッパ、カミソリなど数百円の日用品を売っている。
儲からない商売に見えるが、新浪新聞によると“彼女たち”は1つの商品に最高で50%にも達する高い販売手数料を設定し、しかも若い女性相手のアパレルに比べて返品も極めて少ないため、実はおいしいビジネスだという。 前述の「1980年代生まれのシングルマザー」を名乗るアカウントの昨年12月の販売実績は約500万~1000万円(推定)に上る。 AI美女による配信やライブコマースで楽して儲けようと考える人のために、ネットでは生成AIを用いた美女の作り方から稼ぎ方まで多数の情報商材が売られている。その内容は玉石混淆で、詐欺まがいのものも少なくない。
新技術が登場すると、すぐに悪用例が出るのも中国のお決まりで、2023年5月末には、AIによる顔交換技術を使って有名人になりすまし、中国のライブコマース・プラットフォームで商品を紹介する行為が横行していると、 国営テレビ局が注意を呼びかけた。 顔交換モデル一式は3万5000元(約70万円)で購入でき、リアルタイムで表情などを変化させることも可能だという。 AIを開発する資金力と技術力がない企業・個人向けにこうした著名人顔交換モデルが販売されている。この手法には著作権や肖像権侵害の疑いがあり、消費者にAIを使っていると告知していなければディープフェイクに該当する。