「あのサイコロの正体は?」「チアはまさかの自腹来日」プレミア12台湾代表の対日本“前哨戦”の謎に迫る…32年ぶり主要国際大会決勝への秘策は?
先発変更からの黒星も織り込み済みか
曽監督は公式会見で、「明日の決勝を一番いい状態で迎えたかった。日本側には本当に申し訳ないことをしました」と陳謝。抗議した日本側から「せめて同じ左腕で」という要望があり陳柏清が先発マウンドに上がったが、陳は前日のアメリカ戦でも先発し「中0日」という異例の状況だった。打者5人に投げ4失点したところで降板したが、ドタバタ劇からの黒星も大一番に向けては“織り込み済み”ということだろう。 実は、台湾は日本代表の宮崎キャンプから偵察部隊を毎日送り込んで、侍ジャパンの分析を進めてきたという。ファーストラウンドの対戦では日本の投手陣に対し1点しか奪えなかったが、この日は“前哨戦”とはいえ6点を刻み手応えを得ている。 「台湾は打線はいいという印象。アメリカ戦でも打っているし(14安打、8得点)、今日も打たれているので怖さはある。(日本の投手を)ある程度分析されていると思うんですけど、それはお互い様。こっちもしっかりと研究していきたい」と日本代表の吉見一起投手コーチも警戒を強める。
1992年には日本に勝利で五輪銀
台湾代表が主要国際大会で決勝に進出したのは、1992年のバルセロナ五輪まで遡る。当時予選リーグでは2-0、決勝トーナメントの準決勝では5-2で日本を下し、念願の銀メダルを獲得している。台湾代表の曽監督は言う。 「明日の試合は細かいところ全てがとても大事になる。それを全部押さえてこそ勝利ができると思います。侍ジャパンは全てが揃っている強いチームです。1個1個細かいところを抑えて、守備、攻撃、繋ぎの部分など全てまとめてできるようにして試合を迎えたい」 WBC優勝国、日本撃破へ。可愛らしいチアリーダーや熱烈応援に象徴される朗らかさだけではない、台湾代表の強かな“本気”がそこにはあった。
(「侍ジャパンPRESS」佐藤春佳 = 文)
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