広島・小園海斗が守る〝セイヤの教え〟
【球界ここだけの話】野球日本代表「侍ジャパン」の正二塁手の筆頭候補に浮上した。その男は小園海斗内野手(24)=広島=だ。今秋の国際大会「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」での活躍の裏には〝セイヤの教え〟があった。 「いつも堂々とプレーしろよ!」 言葉の主は元広島の主砲で2022年から米大リーグ・カブスでプレーしている鈴木誠也外野手(30)。小園は19年にドラフト1位で広島に入団し、鈴木の背番号「51」を継承。1年目から1軍で出場機会を得ると先輩から冒頭の言葉で闘魂を注入してもらった。 「将来チームを背負う存在になれるように言ってもらったんだと思っています」 そう感謝する小園は6年目の今季は143試合で打率・280、2本塁打、自己最多の61打点とチームを引っ張った。そして、今秋のプレミア12のメンバーに選出されると、けがのため出場を辞退した吉川尚輝内野手(29)=巨人=に代わって今季は守っていなかった二塁に入り7試合で打率・387(31打数12安打)、2本塁打、8打点。とりわけ11月21日の米国との2次リーグ(東京ドーム)では2打席連発&7打点とインパクトを残した。 今大会のMVP級の存在感で、26年3月開催のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のメンバー入りにも猛アピール。二塁でライバルになりそうなベストナイン&ゴールデングラブ賞の吉川尚輝内野手はトップチームのプレー経験がなく、DeNAで23発&74打点の牧秀悟内野手(26)は打力がある一方で守備は未知数。内野のすべてをこなせる小園の攻守に渡るユーティリティー性も、井端弘和監督(49)のチーム構想にフィットしそうだ。 来季7年目を迎える小園は背番号が「51」から主力の証しといえる1桁の「5」に変更となる。WBCのメンバー入りが懸かる大事な25年シーズン。先輩の教えを守りグラウンドで躍動する。(柏村翔)