裏に“寝返り”も――トランプ氏、敵陣で圧勝 「黒人と同じ立場」「誇り高き反体制派」…被害者ぶる作戦?【#みんなのギモン】
日テレNEWS NNN
アメリカ大統領選に向けた共和党の候補者選びで、トランプ前大統領(77)が対抗馬のヘイリー元国連大使(52)の地元で圧勝。同党の指名はほぼ確実になりましたが、心中は穏やかでないとの見方もあります。勝利の裏側や、本選への懸念に何があるのか―。 そこで今回の#みんなのギモンでは、「トランプ氏“敵陣”でなぜ圧勝?」をテーマに、次の2つのポイントを中心に解説します。 ●本選に向け被害者ぶる作戦? ●“アキレス腱”も お金かかりすぎ?
■トランプ氏が勝利演説で語ったこと
富田徹・日本テレビ解説委員 「アメリカ大統領選に向けた野党・共和党の候補者選びで、トランプ前大統領が対抗馬のヘイリー元国連大使の地元、サウスカロライナ州で圧勝しました。24日の勝利演説でこう語りました」 トランプ氏 「我々は11月5日もここで立ち上がる。ジョー・バイデンをとらえる。彼はアメリカを破壊している。『おまえはクビだ』と言う」 「共和党の指名がほぼ確実になったトランプ氏。敵はもうバイデン氏ただ1人、というわけなんです」 藤井貴彦アナウンサー 「共和党を支持する方々の民意が、このようにトランプ氏を圧勝に導いているということで、いろんな捉え方をする人がいるトランプ氏のニュースですが、これは事実として受け止めて、この後の様子を見守るというのが正しい姿勢なんじゃないでしょうかね」
■得票率は20ポイントの差…5連勝
富田解説委員 「なぜ敵陣で圧勝できたのか。(アメリカのテレビ局)NBC によると、今回の得票率はトランプ氏が59.8%で、ヘイリー氏(52)の39.5%を大きく引き離して勝利。予備選の5連勝を果たしました」 「アメリカ南部のサウスカロライナ州は、ヘイリー氏がかつて6年間知事を務めた地元でもあります。それでも共和党に保守的な考えを持つ人が増えている中で、ヘイリー氏よりは過激で分かりやすい政策を訴えたトランプ氏に票が流れた形です」
■ヘイリー氏に近い人もトランプ氏支持に
富田解説委員 「さらにトランプ氏は、ある手も打っていました」 「トランプ氏は勝利演説で『大きな要因は、後ろに立っている人たちだ』と持ち上げましたが、共和党唯一の黒人上院議員である地元選出のティム・スコット氏など、もともとヘイリー氏に近い、多くの地元議員がトランプ氏の支持に回りました」 徳島えりかアナウンサー 「ここまで圧勝の流れというのは、予備選前の予想以上かなと思うんですけれども、もともとヘイリー氏に近い人たちさえもトランプ氏支持に回ってしまう理由というのはあるんでしょうか?」 富田解説委員 「(トランプ氏が)勝ちを続ける中で、勝ち馬に乗ろうという流れがどんどん強まってくるということがあります。アメリカメディアによると、スコット議員はトランプ氏が副大統領候補に引き立てるのでは、ともささやかれています」