中国の新型ステルス戦闘機か、尾翼のない2機の画像がネットに
Gerry Doyle [27日 ロイター] - 中国の新型戦闘機と思われる不鮮明な画像が27日、インターネットに掲載された。防衛専門家からは明らかに先進的な設計だが、詳細な情報が不足しているとの声が出ている。 ネットに公開された画像は2機でいずれも尾翼がない。2機のうち大型の方は、ほぼひし形をしており、エンジン用の空気取り入れ口が機体の横に2カ所、上部に1カ所、計3カ所あるという非常に珍しい構成だ。小型の方は、より従来型なレイアウトになっている。 2機ともステルス性を考慮し、レーダー探知を防ぐために90度の角がない形状をしている。 オーストラリア戦略政策研究所のシニアアナリスト、ユアン・グラハム氏は、軍の近代化を進める中国の革新への意欲を示すとし、「長所短所はともかく、非常に独特な設計とみられ、それだけで称賛に値する」と述べ「米国とその同盟国は、自分たちが常に先行しているという慢心を取り除くべきだ」と指摘した。 米国は次世代航空支配(NGAD)計画で第6世代戦闘機の開発に取り組んでいる。ただ、トランプ次期政権でこの計画がどうなるかは不透明だ。日本、英国、イタリアでは次期戦闘機の共同開発構想が進む。今月、3カ国の企業が設計や開発を手掛ける合弁会社を来年半ばまでに設立することで合意したと発表した。 ロイターは、2機のうち大型の方が成都上空を飛行する動画を確認した。日付は検証できていない。 2機とも公式の名称は公表されていない。中国の他の戦闘機に比べると設計は斬新だが、ステルス性、機動性、速度など性能面で本当に「次世代」設計か判断するには情報が不足していると専門家は指摘する。 オーストラリアのグリフィス・アジア研究所の防衛・航空専門家、ピーター・レイトン氏は、中国の戦闘機は一度限りの独特の設計がほどこされることが多いため、米国のF-22やF-35のようなステルス機が含まれる「第5世代」戦闘機という定義を当てはめるのは難しいと述べた。 中国空軍のJ-20とJ-35はステルス性があるとされるが、その能力は検証されておらず、就役しているのはJ-20のみだ。 中国国防省のコメントは得られていない。米国防総省は「報道を承知している」と述べたが、今月の中国軍に関する年次報告書に含まれる以外にコメントすることはないとした。