裏に“寝返り”も――トランプ氏、敵陣で圧勝 「黒人と同じ立場」「誇り高き反体制派」…被害者ぶる作戦?【#みんなのギモン】
■「黒人票の獲得」へ…独特の論理
「スコット議員を味方につけるというのはトランプ氏にとって、ヘイリー陣営を切り崩すとともに、もう1つ大きな狙いがありました。それは、黒人票の獲得です。これが今、トランプ氏にとって欲しくてしょうがないものの1つです」 「投票前日、イベントに参加して『自分と黒人は同じ立場だ』などとアピールしました」 「自身が4つの刑事事件で起訴されたことについて、『黒人はこれまで差別されてきた。それが理由で私のことを好きでいてくれる。差別を受けているような視点で私を見ている』と発言しました。独特の論理で共感を得ようとしたわけです」
■ナワリヌイ氏に自分を重ねてアピール
富田解説委員 「さらに、アメリカメディアによると、別の集会では最近獄中で死亡したロシアの反体制派の指導者であるナワリヌイ氏に自分を重ねて『誇り高き反体制派として来た』とアピール。自分も政治的な弾圧の被害者だと主張しています」 伊藤大海アナウンサー 「自分と黒人は同じ立場だ、という発言やナワリヌイ氏を引き合いに出す発言など、ちょっと強引過ぎるんじゃないかなとも思うのですが、狙いはどんなところにあるんでしょうか?」 富田解説委員 「今のままだと共和党の中では無敵であっても、バイデン氏には勝てないかもしれないと思っているからです」
■トランプファン以外を取り込めず
富田解説委員 「AP通信が今回のサウスカロライナ州での予備選で、それぞれの候補に投票した理由を出口調査で聞きました」 「その結果、トランプ氏に投票した人は 10 人のうち 9 人が熱烈な支持者でした。これに対してヘイリー氏に投票した人の場合は、半分はヘイリー氏を支持していますが、もう半分は『トランプ氏が嫌いだから』と答えました」 「つまり、トランプ氏を今連勝させているのはもともとトランプ氏が大好きな人たちで、批判的な人やどちらでもない人という、トランプファン以外の人たちは取り込めていないという情勢が分かっています」 「ただ、大統領選の本選で戦いのカギを握るのは、こうしたどちらでもない無党派層と言われています。そのため、黒人などこれまでトランプ氏の支持層ではなかった人々を味方につける狙いがあったとみられています」 藤井アナウンサー 「選挙というのは1票1票の積み重ねですから、民意を反映するにはやはり選挙に行く、1票を自分の責任で投じることが大切です。アメリカだけではなく日本を含めた全世界、いろんな国の選挙から、1票の大切さを私たちも見ておくべきだと思います」 「今後もトランプ氏の連勝は続いていくんでしょうかね?」