「フンドシ締め直す」サントリーHD、創業家出身の鳥井・次期社長が緊急会見…新浪氏は会長に
サントリーホールディングスが2025年3月付けの新役員人事を発表した。 新社長に創業家で現副社長の鳥井信宏氏が昇格し、現社長の新浪剛史氏は会長に、また現会長の佐治信忠氏は留任し、新たに取締役会議長に就任する。12月12日、緊急記者会見を開き、記者陣に公表した。同人事は会見当日の取締役会で決定した。 【全画像をみる】「フンドシ締め直す」サントリーHD、創業家出身の鳥井・次期社長が緊急会見…新浪氏は会長に 記者会見は冒頭、新浪剛史氏のスピーチからはじまった。 新浪氏は「2年前から次の社長については鳥井信宏であると明言しておりました」とした上で、2014年10月の社長就任からの10年間を振り返り、前任の佐治信忠氏(現会長)が踏み切った米ビームの約1兆6000億円買収から続く企業統合について言及した。 当時、日本企業によるアメリカ企業の大型買収は困難が続くなかで「5年の歳月をかけ、ビーム社の企業価値を買収時の3倍にあたる5兆円を超える規模にまで」成長させ、「ビーム社との統合は、サントリーグループが真のグローバル企業となるための試金石だった」と振り返った。 一方の新社長に昇格する鳥井信宏氏は質疑のなかで、新社長の打診を受けた際の心境について、 「先に佐治会長から『(新社長になって)がんばれ』と言われて『がんばります』と。そのときはあまり実感がなかった。改めて(新浪)社長から言われた時は、『えらいこっちゃ』と。フンドシの締め直しというか、もう一回基本に立ち返って、地に足をつけてやろう」(鳥井信宏氏) と決意をあらたにしたとコメントした。
伊藤 有/Tamotsu Ito