「また絶対に小さい子を…」「子どもを見ると吸い込まれるように…」執着性と衝動性の強さが別格。驚くべき<小児性犯罪再犯率>その実態
◆小児性犯罪の異様な再犯率の高さ 小児性犯罪は、ほかの性犯罪と比べて再犯率が高いことはよく知られています。 法務省の法務総合研究所の調査によると、裁判確定から5年が経過した時点での再犯の有無を示す再犯率は、低年齢の子どもを狙った小児わいせつ型の対象者で「性犯罪再犯あり」が9.5%、「その他再犯あり」は6.6%でした。 これだけ見るとそこまで高い数字ではなさそうですが、注目すべきは「どんな罪で再犯しているか」です。 小児わいせつ型は、性犯罪再犯、つまり強制性交等罪や強制わいせつ罪で再犯している人が、ほかの性犯罪者と比べて高いのです。
◆なぜ繰り返すのか さらに、性犯罪の前科が2回以上ある人に絞って、同じ性犯罪の前科があるか調査したのが下の図です。 ここでは小児わいせつ型の13人のうち、84.6%にあたる11人に小児わいせつ型の前科があるということです。痴漢を除く強制わいせつ型(44.0%)や単独強姦型(63.2%)と比べても、同一類型の小児わいせつ型性犯罪を繰り返す傾向がうかがえます。 つまり、子どもへのわいせつ行為で逮捕され刑務所に入ったにもかかわらず、出所してまた子どもに性加害を繰り返していた……という実態がデータからも明らかになっているわけです。 なぜ力が弱く、抵抗もできない子どもへの性暴力を繰り返すのか――このもっともシンプルな問いこそ、善良な市民が抱く共通した疑問であり、憤りだと思います。 ※本稿は、『子どもへの性加害 性的グルーミングとは何か』(幻冬舎新書)の一部を再編集したものです。
斉藤章佳