夏合宿中から大一番へ準備、4年生QBは「タイヤ」と呼ばれる練習も 関西学院大学が61度目の関西学生リーグ優勝
夏から進めてきた準備を実らせた
関学は夏合宿から関大戦用、立命戦用のプレーを練習し始める。関大戦用のプレーには、TE安藤の絡むものが多かった。今シーズンこれまでほとんど活躍のなかった安藤は「関大戦は俺のパス来るぞ」と思いながら過ごしていたという。関学のお家芸でもあるショベルパスの受け手にもなり、3回のキャッチで39yd。そして数々のナイスブロックでもファイターズを支えた。自分より40kgほど重いDLをトラップにいくプレーのために、チームメイトのOL紅本隆成(3年、関西学院)に練習台になってもらい、毎日のようにぶち当たってきた。 4年生QBの林は第3ダウンショートでフィールドに入り、2度走って2度とも攻撃権を更新した。夏に入る前、QBの1、2番手は星野兄弟でいくという方針が決まった。「それなら自分のできることを最大限にやろうと。自分の武器は何かをもう一回考えて、足腰の強さだけは誰にも負けないと思いました」。その日から、関学で「タイヤ」と呼ばれる練習を繰り返した。2つのタイヤのすき間を、タイヤに当たりながら走り抜ける。「自分のプレーがほしかった」と林。コーチはその思いに応え、ビッグゲームで出番を用意した。大村和輝監督は「相手が分かってても通してこいってことで練習してたんで、取れてよかったと思います」。関学高等部時代はエースQBだった林は「4回生のQBだからやるっていうんじゃなく、一人の選手としてチームにもっと貢献できるようにやっていきます」と笑顔で話した。 春に関学を卒業したばかりのOBが観戦後に言っていた。「関学ってこんなに強いんですね。現役のときは不安しかなかったんですけど、外から見たらめちゃくちゃ強い。とんでもないチームなんですね」
今日でネタ全部出した、また考えないと
関西学院大学・大村和輝監督の話 準備したことが前までよりはちゃんとグラウンドで実行できるようになってきたのが勝因だと思います。星野兄が早い段階でプレーできなくなったんですけど、弟の太吾が春の後半からずっとスターターを張ってやってきてたんで、彼も落ち着いてやりましたし、ベンチも慌てることなくやってました。去年はランを止められてるんで、やっぱり出るランを試行錯誤しながらやって、出たのはよかったです。前半はうまくパスを散らしてたんで、それもよかったかなと思います。OLは今日はよかったんですけどね、まだだいぶやらかしてるんですよ。うそー、っていうのが何プレーかあるんで、それをなくしてもらわないと。まだまだよくなると思います。 安藤はパスの練習ばっかりしてるんですよ。キャッチングがすごくいいんです。ウチのオフェンスのTEとかRBの使い方がここ最近はあんまりよくなかったんで、捕れるんやったら投げていこうかという感じで使いました。今日のために置いてたという部分も若干はあります。でも今日でネタ全部出したんで、また考えないとダメですね。何もないです。 DLは頑張ってましたよ。去年から両エンドが抜けて、だいぶ迫力がないフロントになってるんですけど、ランプレーはちゃんと止めてますし、パシュートもちゃんとできてますし、よくやってると思います。DBはタックルがね、まだまだ。どうしても飛び込んでしまうんで、あそこは練習しないと。