夏合宿中から大一番へ準備、4年生QBは「タイヤ」と呼ばれる練習も 関西学院大学が61度目の関西学生リーグ優勝
決まらなかった関大のTDパス
続く2度目の関大オフェンス。ボールは左ハッシュ。QB須田啓太キャプテン(4年、関大一)は右へ単騎で出たWR岡本圭介(4年、関大一)が関学DB岩本航輝(4年、関西学院)をタテに抜いているのを見て右腕を振り下ろす。柔らかくキャッチして41ydのゲイン。この1プレー後にサイドラインへ戻ってきた岩本は仲間から「どうなった」と聞かれ、「まったく聞こえへん」と返した。関大が攻撃権を更新して第3ダウン4yd。須田はエンドゾーン左へ走り込んだ岡本へのTDパスを狙う。岡本はフリーになっていたが、ボールが高くて失敗。キッカー中井慎之祐(3年、関大高等部)が34ydのFGを蹴り込み、7-3となった。 3度目の関学オフェンス。第3ダウン2ydでQBに4年生の林孝亮(関西学院)が入った。林は左からモーションしてきた伊丹に渡すフェイクをして、自ら右へ突っ込んだ。6ydのゲインで攻撃権更新。林はサイドラインに戻るとすぐにヘッドセットを着け、普段の役割に戻った。第2クオーターに入り、関学は大西が45ydのFGを決めて10-3とした。 関大は3度目のオフェンスで須田がWR溝口駿斗(4年、滝川)へ28ydのパスを決め、ゴール前へ。そして第3ダウン6yd、パスプロテクションは十分に持ったがレシーバーがフリーになれず、パス失敗。中井が26ydのFGを決めて10-6としたが、立命館大戦と違って攻めきれないもどかしさが蓄積されていった。 続く関学オフェンス。星野弟のランで攻撃権を更新しての第2ダウン7yd。狭い右サイドに人数を増やし、その右へのパワープレー。OLとTEのブロックが完璧で、RB伊丹が駆け抜ける。40ydゲインでゴール前17ydに迫ると、TE安藤がパスプロをしてからディレイでタテへ。星野弟がビシッと決める。最後は再びRB澤井が持ってTD。17-6とした。 関学ディフェンスはDB城島壮汰(1年、啓明学院)が鋭いブリッツでQBサック。前半最後のヘイルメアリーのパスも、この日スタメンのDB豊野桂也(1年、啓明学院)が奪う。校歌「空の翼」の歌詞にある「若きは力ぞ」の言葉を思い出させるルーキーの躍動で、前半をそのまま終えた。