■販売力が強化されれば、本格SUVをラインアップすることもできる!!

もうひとつ期待したいのが、トヨタのランクルに対抗するような大型本格SUVです。ホンダも日産も、本格SUVを海外では販売しているものの、現在日本には導入していません。ただ、経営統合によって強力な販売力を手に入れれば、中東を中心に人気の日産「パトロール」や、北米市場で人気の高級SUV「アルマーダ」などを日本市場で販売することが可能になるかもしれません。

2024年9月にリリースされた新型パトロール。協業が実現すれば、日本市場に導入される可能性が出てくるかも!?

近年は、ピックアップトラックもじわじわと人気が出てきているため、日産とホンダがいまアメリカ市場で販売しているピックアップトラック（ナバラや、リッジライン）を販売するのもいいですが、（三菱も加わるのなら）三菱のトライトンの姉妹車を日産やホンダからリリースする、というのもいいと思います。あるいは電動化技術を武器に、全く新しいSUVモデルを開発、というのも期待できるかもしれません。  

■新型「パジェロミニ」も可能かも!??

　また、スズキ「ジムニー」に対抗できるモデルも、ぜひとも期待したいです。日本市場はもとより、世界各国で支持されているジムニーですが、現在、ライバルとなるようなモデルは存在していない状況。かつてのライバル、三菱の「パジェロミニ」を復活させたとしても、ジムニーを超えるほどの台数を売ることはまずできないでしょう。

ホンダにはNシリーズの成功で得た軽自動車開発のノウハウがある。ジムニーに対抗する魅力的なモデルもぜひつくってほしい

ただ、フレーム車をつくり続けている三菱の技術力に、日産とホンダの販売力が加わることで、拡販することができるかもしれません。三菱からも日産からもホンダからも、車名はそのまま「パジェロミニ」として販売するという委託販売のかたちをとってもいいかもしれませんね。  

■まとめ

売れ筋モデルでは、ZR-Vとエクストレイル、ヴェゼルとキックスなど、カテゴリーがかぶってしまっている車種については、販売状況を見ながらラインアップが整理される可能性もありますが、姉妹車として両ブランドそれぞれから販売される可能性もあると思われます。これによって、ラインアップはより充実してくることが期待できるでしょう。 実現すれば、世界3位の巨大自動車メーカーが誕生することになる3社の経営統合。いろいろと厳しい意見があるようですが、自動車メーカーにとって厳しい時代を迎えていることは事実です。経営統合によって実現するポジティブな面に目を向け、2社（3社）の今後に期待したいです。 Text:立花義人、エムスリープロダクション Photo:HONDA、NISSAN