立憲・野田代表の「政権奪取」戦略の“落とし穴”…刷新感重視の新体制も、程遠い「ノーサイド」
さらに、立憲民主の政策担当者の多くが懸念を示すのが野田氏と財務省との緊密とみられる関係だ。野田氏は首相在任中の2012年8月に民主、自民、公明3党による「社会保障・税一体改革に関する合意」をまとめたが、「社会保障の財源としての消費税率引き上げを巡り、裏で財務省が動いた」(自民幹部)との見方が根強いからだ。この合意を受け、消費税率は5%→8%→10%と段階的に引き上げられたが、「それが日本経済のデフレを加速させた元凶」(経済アナリスト)との指摘があるだけに、政権奪取に成功した場合の「野田首相」の財政運営を不安視する声も少なくない。
そうしたことから、現在の政界の構図を踏まえれば「いくら国民の自民党離れが拡大しても、首相再登板への道筋は見えてこない」(政治ジャーナリスト)というのが、野田立憲民主新代表の置かれた厳しい立場といえそうだ。
泉 宏 :政治ジャーナリスト