寝たまま竹を雑に食す…動物園のパンダの油断しきった姿に癒されるファン続出のワケ
ちょっと短めのおみ足にまるいボディ。唯一無二のフォルムを持つ、神戸市立王子動物園のメスのジャイアントパンダ「タンタン(旦旦)」。そのかわいい姿と優雅な所作から、親しみを込めて、“神戸のお嬢様”とも呼ばれています。 【写真】パンダのタンタンと過ごした、すばらしい日々 2021年に心臓疾患が見つかり、治療を続けていたタンタンですが、2024年3月31日に虹の橋を渡りました。当時、国内最高齢の28歳でした。いつでも笑顔をくれた神戸のお嬢様・タンタンをしのび、在りし日の日常を振り返りながらお伝えします。
中国からの専門家が来日
中国ジャイアントパンダ保護研究センターから2名の専門家が来日したのは、連載83回目(https://gendai.media/articles/-/96873)のこと。獣医師の成 彦曦(せい えんし)さんと、飼育員の王 平峰(おう へいほう)さんです。 獣医師である成さんは主に健康管理、飼育員の王さんは主に飼育管理を担当していますが、中国にいた頃のタンタンとは、面識はあったのでしょうか。 「タンタンが日本に来たのは、おふたりがパンダにたずさわる以前ですので、おふたりとは今回が初対面となりますね」と、同園の担当者。 おふたりは、2022年5月11日に来園し、8月初旬まで滞在。来日の主な目的については「タンタンの治療を日中で協力して進めている一環で、日中双方の専門家が共同で、病状に対して診断や治療を行うことができるようにするためです」(同園担当者) これまで中国側と同園は、継続的にタンタンの病状について情報共有をしてきました。この来日も、こうした中国側との協議後に決定したもの。専門家にみてもらうことで、タンタンの病状をキチンと把握してもらうためです。 新型コロナの影響を受けて、当初の予定より来日が遅れていましたが、入国制限の緩和を受けての来日となりました。 心強い味方が来てくれて、うれしかったですよね、お嬢様。
もう慣れましたか?
さて、タンタンとおふたりとの対面について、飼育員の梅元良次さんにうかがうと「初対面の時は、やはり落ち着きがない様子で、トレーニングにも集中していませんでしたね」と、話してくれました。 「今は少し慣れたようで、だんだん落ち着いてきています」と、梅元さん。賢いお嬢様のこと、いつもと違う様子に警戒されていたのですね。 慣れてもらうために、何か工夫はされているのでしょうか。「特に慣れさせるための特別な事はしていません。タンタン自身に覚えてもらうしか方法はないので、おふたりにはなるべくタンタンの様子を見に来ていただくようにしています」(梅元さん) おふたりは、タンタンのことを中国名の爽爽(シュワンシュワン)と呼んでいるそうで。お嬢様も、何か懐かしい響きを感じて打ち解けたのでしょうか。本場の発音、聞いてみたいですね。