6歳で亡くなった娘が教えてくれた”一度しかない人生”で、子どもたちとの触れ合いを通じて自立援助ホーム開所へ
自立援助ホームの開所にかかる費用が捻出できない
林さんは自立援助ホームの開所に先駆け、協力者と共にNPO法人『にじまち』を立ち上げます。『にじまち』の事業としては、今まで取り組んでいた『虹の学び舎』と新たな自立援助ホーム『ななほし』です。 しかし、自立援助ホームの開所に取り組む中で、思った以上に費用がかかることがわかりました。県からの補助は得られますが、申請後の給付となるため、タイムラグが発生します。また、電化製品や事務用品などの費用には補助金を使用できないこともわかりました。 「『お金がない』『どうしよう』となって、リアルファンディングを始めることになりました。クラウドファンディングも考えたのですが、直接顔を見てやりとりしたいということもあり、リアルファンディングという形態をとることにしました」 具体的に動き始めたのは年末押し迫った12月だったといいます。2024年4月現在、目標金額の半分以上が集まりましたが、すでに決まっている支払いがあるとのこと。支払いができて本当によかったと、林さんは胸をなでおろします。 「毎日、企業の社長さんなどにもお願いに行っています。とにかく自立援助ホームについて知っている人がほとんどいない状況なので大変ですが、お陰様で少しずつ理解してもらえるようになってきました」 最近では、お金の振り込みではなく、Amazonの『ほしい物リスト』から物品を寄付してくださる方も増えてきたそうです。
笑顔は人にとって最大の魔法
林さんが運営しているフリースクールでは、小学生だけでなく、誰でも参加可能なフリーdayや自習dayなども設けています。 「まずは私たち大人が、思い切り楽しむことが大切だと思っています。そんな大人の姿を見て、子どもたちも未来への希望を抱けるのかなと思います。大人も子どもも、みんな笑顔で過ごしてほしいと願っています」 参加している大人は、様々な職業や世代の人たちです。そこには肩書きや人間関係のしがらみなどは存在しません。『虹の学び舎』は、大人にとっても子どもにとっても笑顔の絶えない場所となっています。自立援助ホームも同様に笑顔でいっぱいの場所となることは間違いないでしょう。 自立援助ホーム『ななほし』には最大6名(2人部屋が3部屋)の入居が可能ですが、現在のところ、まだ入居者は決まっていません。入居は児童相談所からの依頼となるため、誰でも入居できるわけではありませんが、一人でも多くの若者が笑顔になることを願っています。林さんにとって、笑顔は最大の魔法だと言います。 Facebook:NPO法人にじまち 出典:全国自立援助ホーム協議会 https://zenjienkyou.jp/about/
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