NEC森田社長に聞く「2025年の投資戦略」 BluStellarとDX人材活用はどうなる?
幹部にも“出戻り”人材 人手不足をどう補うか?
――ジョブ型雇用が浸透し、カムバック採用なども進めています。どういった業種や業界、年齢の人が戻って活躍していくのか、また今後の課題について教えてください。 思った以上に出戻りが多い印象です。最近、デジタルガバメント・デジタルファイナンスビジネスユニットの出戻り社員と会いましたが、その社員は20年前にM&A関連業務で法務を担当していた方でした。 幹部も含めてあらゆる領域で戻ってきてくれています。執行役では、松本康子CAO(最高監査責任者)も出戻りであり、社外で上場会社の役員を経験後にNECに戻ってきました。「AIやセキュリティの開発をしたい」と言って戻ってくるエンジニアもいます。今後、ジョブ型の人事制度をグループ会社へも展開していくので、これをテコにしてさらなる制度の充実を図っていきます。 ――業績が良くても早期退職を募る企業も出ています。NECの人材への考え方は? 異業種間での人材獲得競争はますます激しくなってくると思います。例えばわれわれの業種で見た時、コンサル企業との人材の奪い合いもあり、外資系の企業もかなり多いです。報酬体系も非常に競争が激しいものになっています。そういった中で人材の奪い合いの状態になっています。 AI、セキュリティなどのDX人材になると、同業他社だけでなく、金融機関や製造業などもこうした人材を必要としています。今までと違う人材に対する考え方をとっていかなければなりません。人材マーケットも、日本も徐々にではあるものの流動的になってきています。個人のキャリアに対する考え方も、過去の「就社」ではなく、自分でキャリアを作っていく考え方を持つ若い人が、本当に増えています。 そういった向上心ある才能に対して、魅力のある職場やキャリアを積める環境や、報酬なども含めて競争力があるものを作っていくことが絶対に必要です。これからの社会を考えると、どの企業にとっても必要になっていくと思います。