「ガソリン値上げかぁ」考えたこともなかったけど、ハイオクってなんでレギュラーガソリンより高い?
ガソリンの種類を選ぶ際、”ハイオク”と”レギュラー”、そして”軽油”の違いとそれぞれの価格設定について、明確に理解している人は意外と少ないかもしれません。しかしこれらの燃料の特性と価格差の理由を理解することで、自分のクルマに最適な燃料を選び、エンジンを長持ちさせることができます。ではハイオクガソリンがレギュラーより高い理由や、軽油がガソリンより安い理由はどのような点にあるのでしょうか。 【写真】「知らなかった…」給油口にある出っ張りの使い方
”高級ガソリン”?ハイオクがレギュラーより高い理由とは
ハイオクガソリンがレギュラーガソリンよりも高価である理由を理解するには、”オクタン価”という指標を理解することが大切です。 オクタン価(Octane Rating)はガソリンの品質を示す数値のひとつで、エンジンのノッキング(エンジン内での異常燃焼)に対する耐性を測定します。オクタン価が高いほど、ガソリンは高圧縮下でもノッキングを起こしにくいという特性があります。 ノッキングとは、エンジン内で燃料が圧縮されて爆発するときに、タイミングを誤って早く爆発してしまう現象を指します。ノッキングが頻繁に起きるとエンジンは過熱し、性能が低下するだけでなく、部品に損傷を与えることもあります。 そしてハイオクがレギュラーガソリンより高価な理由としては、大きく3つが挙げられます。 まずひとつ目の理由には、ハイオクの製造にはオクタン価を上げるためにレギュラーガソリンよりも多くの添加物が必要であり、製造コストがかかるためです。 オクタン価を上げるための添加物/洗浄剤が、製品の価格に直接影響を与えているのです。 2つ目の理由は、ハイオクが特殊なエンジン向けに開発されているためです。 ハイオクにはオクタン価が高く設定されています。これによりハイオクは高い圧縮比を必要とするエンジン、たとえば高性能なエンジン/ターボエンジンなどに適しています。 これらのエンジンはハイオクガソリンの高いオクタン価を活用することで、最大の性能を発揮することができるのです。 そして3つ目の理由は、ハイオクの製造量がレギュラーガソリンに比べて少ないため、一単位あたりの製造コストが高くなるという経済的な側面です。 原油からガソリンを製造する際、レギュラーガソリンとハイオクの比率は、製油所の設定によりますが、通常はレギュラーガソリンの方が多く生成されます。 これは、一般的にレギュラーガソリンを使用するクルマの数がハイオクを必要とするクルマよりも多いため、レギュラーガソリンのほうが需要が大きいのです。その結果、製造コストの観点から見るとハイオクは量産効果が低く、単位当たりの製造コストが高くなります。 ちなみに、レギュラー対応のクルマにハイオクガソリンを入れてもエンジンの性能を向上させることはありません。 なぜならレギュラー車のエンジンは、ハイオクガソリンを活用できるように開発されていないためです。 ただ、反対にハイオク車にレギュラーガソリンを入れると、ノッキングが発生し、エンジンに損傷を与える可能性があるので注意しましょう。