いよいよ開幕!! 今夏の高校野球地方予選はこの「下克上チャレンジ」が熱い!!
■プロ注目の好素材が聖地へと導けるか? 今夏は有望選手を擁して甲子園を狙うチームも目立つ。 帝京長岡(新潟)は甲子園出場経験こそないものの、22年夏の新潟大会で準優勝になるなどあと一歩の位置にいる。 春の新潟大会は連覇しており、今春は北信越大会でも優勝した。プロ野球で通算46勝と活躍した芝草宇宙監督が率いて5年目の今年は、最大のチャンスだ。 大黒柱は身長187㎝の大型右腕・茨木佑太。2歳上の兄・秀俊は2年前の準優勝エースであり、現在は阪神でプレーしている。芝草監督の指導を受けるため、兄弟そろって北海道から新潟へと渡っている。 茨木はスリークオーターから最速144キロの快速球と、スライダーなどの変化球も器用に操って奪三振を量産できる。今春にかけて順調な成長曲線を描いており、プロのスカウトからもスケール感を高く評価されている。 兄弟そろってのプロ入り、そして同校初の甲子園出場の夢は目前に迫っている。 同じく甲子園未出場の知徳(静岡)には、身長198㎝、体重110㎏という超大型右腕の小船 翼がいる。 中学までは神奈川県海老名市で生まれ育ち、海老名リトルシニア時代は「4番手投手で試合ではほとんど投げていません」という隠れた存在だった。だが、兄と同じく静岡の知徳に進学すると球速が20キロ以上もアップ。今春には自己最速の152キロを計測して、鋭いスライダーでゲームをまとめる能力も披露した。 春に一時期コンディション不良を訴えて休養した時期もあったが、夏に向けて順調に回復。その動向にプロのスカウトも注視している。 首都圏で異彩を放つのは桐朋(西東京)だ。同校は偏差値70を超え、東京大への合格者も輩出する進学校。そんな桐朋から高卒プロ志望の好素材・森井翔太郎が出現し、騒然となっている。 投げては最速152キロ、打っては高校通算39本塁打(5月30日時点)をマークする投打二刀流。身長183㎝、体重86㎏の恵まれた肉体ながら、「自分の中での感覚を一番大切にしたい」という理由からウエイトトレーニングをした経験は皆無だという。 桐朋中学在学時代にコロナ禍を経験し、巣ごもり期にトレーニングをする中で自分の人生を見つめ直し、「プロ野球選手になりたい」という思いを強くしたという。現在は夏の大会に集中しているものの、進路はプロ志望届の提出やアメリカの大学進学を視野に入れている。 桐朋は昨夏と昨秋に甲子園常連校の東海大菅生に敗れており、今夏はリベンジに燃えている。学業優先の方針のため放課後の練習は週休2日制という進学校が、西東京の台風の目になれるか。