“来季の職場”をかけた戦いも残り2試合 シード復帰を目指す飛ばし屋・葭葉ルミが今季初のトップ10入り
<樋口久子 三菱電機レディス 最終日◇27日◇武蔵丘ゴルフコース(埼玉県)◇6650ヤード・パー72> 岩井明愛は直ドラ2オンに成功し、この“ドヤあおり”ポーズ【写真】 31歳の葭葉ルミが6バーディ・1ダブルボギーの「68」でプレー。トータル10アンダー・8位タイに入り、今季初のトップ10入りを果たした。「きょうは久しぶりに長いパットがいっぱい決まってくれて、すごく楽しい1日でした。トップ10に入ることができてうれしい」と振り返った。 葭葉といえば“飛ばし”が代名詞。ドライビングディスタンス(ティショットの平均飛距離)の集計が始まった2017年は260.76ヤード、18年は258.29ヤードで2季連続の1位に立った。19年からも2位(253.67ヤード)、8位(250.03ヤード)、2位(255.55ヤード)と上位をキープ。今季もここまで262.25ヤードで2位と女子ツアーきっての飛ばし屋だ。今大会でも258.667ヤードを記録して2位。飛距離は健在だった。 最終日に同組だったのは、21歳の小林夢果と16歳のアマチュア・中嶋月葉(岡山・作陽学園高2年)。ドライビングディスタンスはそれぞれ、小林が256.33ヤードで4位、中嶋はアマチュアながら263.5ヤードを記録して並み居るプロのなかで1位だった。 小林については、「見ていて楽そうでした(笑)。距離が出るので、セカンドショットを短いクラブで打つことができるし、しっかりピンを狙っていける。球も高くて、ちょっと羨ましいなと思いました。私も負けないように頑張ってました」と評し、メルセデス・ランキング(MR)30位で来季シード権獲得圏内にいる後輩を評した。 中嶋にも期待を込める。「アマチュアなのでまだゲームの駆け引きというところができていなかったかな。でも、まだ16歳で、すごく伸びしろがあって、今後が楽しみな選手だなと思います」とエールを送った。 来季シード権が決まる「大王製紙エリエールレディス」まで残り2試合(TOTOジャパンクラシックを除く)。シード権はMR50位以内の選手に与えられるが、葭葉の現在の同ランキングは74位(220.40pt)。50位とは212.81pt差と、2020-21年シーズン以来のシード復帰に向けては厳しい立場にいる。「あと2試合で優勝を目指したい」と危機感を募らせる。 また、51~55位に入れば、1回目のリランキングまでの出場権を得ることができ、QT(予選会)を回避することができる。「そこに入ることができればベストかな…」。来季の職場をかけた戦いはクライマックスを迎える。(文・神吉孝昌)