【毎日書評】言いかえるだけで人間関係がスムーズになる「注意・フォロー」するときのひと言
自分の発することばは、自分の考え・意見・思いそのもの。しかし、使うべきことばを間違えてしまうと、誤解されてしまって関係にヒビが入ってしまうことも考えられます。だから、会話はなかなか難しい。 したがって、「どんなことばで表現するか」が重要な意味を持つわけですが、いちばんの解決策は語彙力やことば遣いではなく「好かれる言いかえ」。セミナー講師、司会者、元ラジオパーソナリティとして活動する『なぜか好かれる人の言いかえ手帖』(つみきち 著、SBクリエイティブ)の著者は、そう主張しています。 ちなみに、ことばを「プレゼント」に置き換えた場合、「語彙数=プレゼントの選択肢の多さ」「笑顔やマナー=ラッピングの綺麗さ」ということになるのだとか。 いくらプレゼントの選択肢を多く持っていて、ラッピングをきれいに整えたとしても、相手のことを考えずに選んだプレゼントでは喜んでもらえないはず。もっとも大切なのは、「どんなプレゼントを選ぶか」だということです。 相手に喜んでもらったり良い関係を築いたりするには、TPOに応じ渡す相手を想ってプレゼント選びをすることがとても重要なのです。 これは会話における言葉選びも同様です。 つまり、好かれる言いかえとは、「相手が喜ぶプレゼントを選ぶ」ということなのです。(「はじめに」より) 著者が司会やパーソナリティの仕事を志そうと思ったのは、中学生のころの経験がきっかけだったそう。自分の送ったメッセージを読んでくれたラジオのパーソナリティが暖かいことばをかけてくれたとき、「自分も素敵なことばを届けられる人になりたい」と感じたというのです。 以後、自分がかけられてうれしかったことばをメモするようになり、10年以上も書きためてきたのだといいます。本書は、それらを体系的にまとめたもの。きょうは第4章「注意・フォローの言いかえ」のなかから、ビジネスの現場でも活用できそうないくつかのことばをピックアップしてみたいと思います。