世帯年収600万円台世帯の貯蓄額、共働き率、持ち家率は?周りに聞けないリアルなお金事情を解説
筆者は、個人向けの資産運用や保険見直しのコンサルティングを行っていますが、相談者の多くが「なんとなくお金を分けているだけで、しっかり貯蓄できている実感がない」と話されます。 ◆【最新の一覧表】私の貯蓄額は平均以上?平均以下?年収600万円台世帯のお金事情を見る 確かに、毎月なんとなく一定額を貯めているだけでは、不測の事態に備えられず、家計が一気に困窮する可能性もあります。2019年ごろに話題となった「老後2000万円問題」を覚えている方も多いのではないでしょうか。 物価上昇の影響で、日々の生活費は増加傾向にあります。その一方で、私たち現役世代の年金受給額が将来減少する可能性も指摘されています。このような状況で、老後を安心して迎えるためには一体どのくらいの資金が必要なのでしょうか? 今回は、世帯年収600万円台の家庭に焦点を当て、その貯蓄事情を探っていきます。同じような収入のご家庭がどの程度の資産を築いているのかを知ることで、自身の家計管理の参考になるはずです。 また、記事の後半では老後資金の準備方法についても解説します。これからの長い人生を見据えて、効率的に資産を準備するヒントをお届けしますので、ぜひ最後までお読みください。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
個人の平均年収は400万円台で推移
日本の個人平均年収は、長年にわたり400万円台にとどまっています。 国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、この傾向は続いており、大きな変化は見られません。 しかし、過去10年間に限ってみると、少しずつ上昇していることがわかります。 これは、経済状況や労働市場の変化によるもので、今後の動向にも注目が必要です。 給与の安定性とその変動は、個人の生活や経済活動に大きな影響を与えるため、引き続き注視することが重要です。 ●平均年収の一覧 ・2014年:421万円 ・2015年:423万円 ・2016年:425万円 ・2017年:434万円 ・2018年:439万円 ・2019年:438万円 ・2020年:435万円 ・2021年:446万円 ・2022年:458万円 平均年収はわずかに増加傾向にあるものの、物価の上昇が続く中で苦しいと感じる世帯も少なくありません。 そのため、賃金上昇の施策に注目が集まっています。 では、「世帯年収」に注目すると、変化はあるのでしょうか? ●世帯年収は減少傾向に 世帯年収は減少傾向にあります。 厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、2002年の平均所得額は602万円でしたが、2022年には545万7000円に減少しています。 この20年間で、平均所得が約56万円減少していることがわかります。 世帯全体の収入が減少している現状、そして家計の厳しさが増していることを反映しているのでしょう。 2002年における個人の平均年収は448万円でした。 同じく厚生労働省「国民生活基礎調査」によると、2021年における「児童のいる世帯」の雇用者所得平均は689万7000円です。 この調査では、雇用者所得とは「世帯員が勤め先から支払いを受けた給料・賃金・賞与の合計金額をいい、税金や社会保険料を含む。」と定義されています。 令和の時代において、子どもがいる世帯で「世帯年収600万円台」は一般的な水準と言えるでしょう。 では、「世帯年収600万円台」という二人以上世帯の暮らしぶりは、どのようなようすなのでしょうか。 次の章では、世帯年収600万円台の実際のようすを見てみましょう。